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女王争いを過去最大級のものにした古江彩佳 シーズン最優秀選手の強さはゲーム性のある朝の練習【辻にぃ見聞】

女王争いを過去最大級のものにした古江彩佳 シーズン最優秀選手の強さはゲーム性のある朝の練習【辻にぃ見聞】

配信日時:2021年11月30日 11時30分

「例えばラウンド後の練習でのアプローチ練習は、試合でグリーンを外したことを想定して、アプローチを打った後、それをパターで入れる“1チップ1パット”のセーブの練習を行っています。それも様々なシチュエーションで18ホール分やっている。この練習ではPW、47、54、58度の4本のウェッジとパターを使って、キャディさんがラフにドロップした球を、即座にどのクラブがこのライ、状況で最も確率良くセーブできるかを判断しています。まさに実践に勝る実践のような練習方法です。またロングパットが残ったときを想定して、それも18ホール入れるまで行っている。こうやって試合のなかでどうやってセーブしていくかが磨かれていくのです」

朝の練習も非常に実践的だ。「ドライバーを打つときは試合のホールをイメージして1球ごとにちゃんと後ろからターゲットを確認しますし、ユーティリティ、アイアンでティアップしてパー3を想定したショット練習もしている。すべてがゲームにつながっているんです」。ただ、打つのではなくこれから試合でどういった場面で打つ番手なのか、球なのかを考えた練習。「こういったところに頭の良さを感じますね」とすべてがスコアを作るためにつながっていると話す。

■終盤に固まった最強パートナー
特にこういった実践向きな練習はキャディの森本真祐氏とタッグを組んでから色濃くなった。

「2人は本当に阿吽の呼吸という言葉がよく似合います。今シーズンのベストコンビ賞をあげたいですね。練習からお互い関西弁で小気味よく話していますが、2人の空気にネガティブな要素が全くなく明るくやっている。これもラストスパートをかけられた理由だと思います」

秋口に入ってからの2勝、そして優勝争いをにぎわせた最終戦。すべて森本氏がバッグを担いでいた。頼れるパートナーの存在も最優秀選手へ導く1つのピースとなった。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、小祝さくら、吉田優利、阿部未悠などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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