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「自分自身が幸せでいること」 プロが戦い続ける力とは【原田香里のゴルフ未来会議】

「自分自身が幸せでいること」 プロが戦い続ける力とは【原田香里のゴルフ未来会議】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2021年11月10日 11時30分

私が毎週、試合に出ていた当時以上に、同世代の選手の実力が均衡している現在は、さらに厳しいと思います。どんなにトレーニングをしても、どんなに練習をしても、結果が伴わなければどうにもならないのがプロアスリートの世界です。だから、日々、ひたすらゴルフのことばかりを考えて結果が出ればいいですが、出なければつらい毎日が続きます。シーズン中には大きくスイングを直すこともできない。ワラにもすがるような気持ちになっていくのです。

私の場合は、1993年に公式戦で2勝できたことで、10年シードを手にすることができました。現在の規定では、複数年シードを獲得した翌年から10年間の中で好きな時に権利を行使できるようになっています(ただし連続で使うこと)。私が獲得した当時は獲得した翌年から10年という決まりでした。

長期シードを持っていても、賞金シードは失いたくない。そんな気持ちは誰もが抱きます。それほど毎年、結果を出し続けるのは大変だということです。

そんな経験をしてきた私は、最近、こんな風に思います。プロアスリートにとって、結果は何よりも大切なものですが、短期的なものではなく、長い目で見た結果を残すためのビジョンが必要だということです。練習は大切ですが、それだけではなく、体のケアも必要だし、時には休むことも大切です。トレーナーをつけるのが当たり前の現在でも、体力があって柔軟性もある若いうちには、どうしても無理をしてしまいがちです。それで体を壊しては元も子もありません。それを頭に入れておいて欲しいと思うのです。
 
もう一つ、若い選手のみなさんには考えて欲しいことがあります。ゴルフに専念するためにサポートしてくれる家族やスタッフの存在は、プロゴルファーにはとても大切です。その状況は人それぞれだし、周囲の人に対する気持ちは、大きなモチベーションになります。何より感謝するのは当然のことです。

けれども、大切な人たちのことを考えるためには、まずは、自分自身が幸せな人生を送っている必要があります。そうでなければ、周囲も幸せにできません。その順番をまちがえずにいて欲しいと心から思います。まず自分自身のことを考えるのは決して悪いことではないのですから。

原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。11歳からゴルフを始めると、名門・日大ゴルフ部に進み腕を磨いた。89年のプロテストに合格しプロ転向。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。98年には賞金ランキングでも2位に入るなど通算7勝の活躍。一線を離れてからは日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力。今年の3月まで理事を務めていた。

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