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「ショットもパットも順回転」が好調の理由 キャディも驚く古江彩佳の“研ぎ澄まされた感覚”【辻にぃ見聞】

「ショットもパットも順回転」が好調の理由 キャディも驚く古江彩佳の“研ぎ澄まされた感覚”【辻にぃ見聞】

配信日時:2021年11月9日 07時00分

辻村氏は、古江のドライバーから放たれるキレイなバックスピンがかったボールは「捻じれがなく」、そしてこれは「今の女子ゴルフ界でナンバー1」という再現性の高いスイングから生み出されていると説明する。

「テークバックのスムーズさ、ダウンスイングの力感、入射角、クラブパス(インパクト時のクラブの左右軌道)、打点の再現性、この5つが突出しています。軽いインサイドのスイングはブレ幅が本当に少ない。これは、もちろん技術の高さもありますが、どんな場面でも落ち着いた心で振れるということも大事になります。心が体を動かすと考えた時に、その心がズレる時は往々にしてある。古江さんは安定したメンタルで、そのすばらしい技術を引き出しています」

これは前述した森本キャディの言葉にもつながる。そしてその森本キャディは、こんなことも証言する。古江は今年初優勝を飾った「富士通レディース」からパターをテーラーメイドの『スパイダーツアー』に替えたのだが、それがグリーン上の不安を解消した。「直進性がアップして、気分的にショート、ミドルパット両方で、薄めのラインも打てるようになったと(森本キャディが)言っていました。ヨレることのない、順回転の球が出だしてから3勝。これも好調の要因なのでしょう」と辻村氏は明かし、さらに補足する。

「パットでいろいろな球が出てしまう時は、何通りものラインのイメージが出てしまいます。ボールがキレイな順回転になることで、ライン読みがシンプルになるし、繊細さもでます。もともと古江さんは、3メートル以内の決定力は高く、それに加えタッチを合わせるのもうまい。ジャストタッチで打つ技術もトップクラスといえます。そのうえで抱えていた不安が解消されたとなると、自信も深まりますよね」

そして実際にプレーする姿や森本キャディの話も踏まえた辻村氏は、「ショットもパットも順回転」という表現を用いて、現在の古江の好調ぶりを紐解く。ショットでは捻じれのない、キレイにスピンがかった球がフェアウェイをとらえる。パットも、推進力ある順回転のボールが次々とカップに吸い込まれていく。なによりその好調ぶりを一番近くで見ていたパートナーも感心するほどの精神力が、古江をさらなる高みに押し上げることになるのか。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、小祝さくら、吉田優利、阿部未悠などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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