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渋野日向子のスタッツ比較、19年と何が違う? 進化の結果と今後の課題

渋野日向子のスタッツ比較、19年と何が違う? 進化の結果と今後の課題

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2021年9月20日 10時00分

「ライに対してどれだけ(ラフに)食われるかというのを素振りで想定して、その素振り通りに振れる回数が多くなった」と基本の反復が実っている。渋野は今季からウェッジを4本入れており、その成果が現れている証拠。長いバンカーショットでは52度のウェッジを使うなど、引き出しは確実に増えている。

半面、100ヤード前後から寄らない場面も多く、17番、18番はともにピンまで100ヤード強をピンに絡められずパーに終わった。またパーをセーブしているとはいえ、本大会の長いパー3はすべてユーティリティや7番ウッドでのティショットを強いられ、ここで苦戦したのも事実だ。

これについては、「もっと7番ウッドの距離も出したいし、長いクラブの精度も上げたいと思う」と、距離があってもピンをしっかりと狙えるショットには課題を残していている。そして、これこそが渋野が見据える米ツアーでの成功につながる部分だ。

スイング改造やクラブ変更などもあって、いまは地固めの時期としてきた。「目の前のことに集中する」。結果を考えずに「やりたいことをやるだけ」と信念を曲げることなく進んでいるが、そんな渋野が初日終了後、珍しく本音を漏らした。「もっと飛ばしたいかな。スピンで止められる高い球が打ちたい。向こう(米ツアー)はそういう選手が多い」。そんな思いもあるなかで、一歩ずつ前に進んでいる。

そのために、いまは一つひとつの課題をつぶしていく段階。大ブレイクを果たした2019年と今のスタッツを比較しても、パーオン率は上がり、フェアウェイキープ率も上がった。パーセーブ率も向上している。数字で劣っているのはパットの数字。パーオンホールでの平均パット数は『1.8031』。規定ラウンド数に達していないため順位は付かないが、23位に相当する数字で、19年の『1.7582』の2位には及ばない。

そんなパッティングについても「一筋違っていたとか、そこまで意識するものではない」と、こちらもかみ合わせの問題だという。周囲は結果を求めるが、渋野自身に焦りはない。いま作り上げている各パーツの強度を上げて、最終的にそれを一つにまとめたとき、目指すべきニュー渋野が作り上げられる。(文・高桑均)

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