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渋野日向子のチャレンジする姿に感銘 「悔しがる表情もプロらしかった」【申ジエに聞く】

渋野日向子のチャレンジする姿に感銘 「悔しがる表情もプロらしかった」【申ジエに聞く】

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2021年3月11日 07時00分

1977年に「全米女子プロゴルフ選手権」を制した樋口久子以来、42年間も日本人女子は海外メジャーのタイトルから遠ざかっていた。それなのになぜ渋野は全英女子オープンに勝つことができたのか。海外メジャー2勝のジエは、国内女子ツアー全体のレベルアップを理由に挙げる。「私が最初に日本に来た13年前より、プレースタイルが本当にアグレッシブに変わってきています。だからいまは、8アンダーとか9アンダーといった大きなスコアが出ることも多くなりました」。

ジエの感覚はあながち間違っていない。13年前の08年、賞金ランキング50位の前田久仁子の平均ストロークは73.4255(36位)。それに対し、19年の賞金ランキング50位の濱田茉優の平均ストロークは72.3262(50位)だった。単純比較すると、賞金シード50位以内に入るのに1打以上レベルが上がっていることになる。

ジエは続ける。「だから誰か1人だけ素晴らしくても全体の成績は上がりません。みんなのレベルが総合的に高いなかで競い合った結果、いまの渋野さんがいるのではないかと思います」。ジエ自身、19年には国内女子ツアー初となる平均ストローク60台(69.9399)を年間で記録し、ツアー全体のレベルを上げていることも付け足しておこう。

前週のダイキンでは各日1000人の上限を設けてギャラリーを入れたが、今週の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」は無観客で開催される。最後に国内女子ツアーを中継で見るときの注目ポイントをジエに聞いてみた。

「まず、ファンのみなさんが現場のライブ感を味わえないことは、非常に残念で申し訳なく思います。中継を見るときのポイントとしては、選手たちのプレー直前の目線や、ショットに入る前の仕草で、これからどんなプレーをするのかと想像していくと、より楽しくご覧になれると思いますよ」

申ジエ(しん・じえ)
1988年4月28日生まれ、韓国全羅道出身、スリーボンド所属。155センチという身長で母国韓国、そして米国の賞金女王に輝いたジエが、日本ツアーを主戦場に移したのが2014年。「温かい人間味を感じる国でやってみたい」というのが理由で、本格参戦後は元世界ランク1位の名に違わぬ実力でカップを積み重ねている。また、たびたび児童施設に寄付するなど人格者としても後輩たちの良い手本に。米ツアー時代は最終日に無類の強さを発揮することから“Final Round Queen”と呼ばれており、日曜日の強さは日本になっても変わることはない。

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