また17番パー3では、グリーン周りのバンカーを5個に増やし、これがボールを“おびき寄せる”ことになる。「ティエリア前の木を切って、全体としてかなりの数のバンカーを掘りました」。視界は開けているが、上記以外にもバリエーション豊富なバンカーが戦略性を高めるような演出が施されている。
■ラフの成長に苦戦
今大会に向け、頭を悩ます事態も起こった。その一つが今年7月に九州地方を襲った豪雨だ。ただ、それだけにとどまらず、この後は一気に雨量が減ったことも、コースに悪影響を及ぼした。「ラフが育たず、(大会規定にある)100mmまで伸びた部分と、短い部分がまちまち。落ちる場所によってはボールが浮いてしまうなど、均一な状態を保つことができませんでした」。この苦難を乗り越えての開幕となる。
今大会のコースセッティングを手掛けるチーフディレクター・菅真知氏も、「フェアウェイも茶色になる部分が出て心配もしたけど、ここは回復した。でもラフは伸び切らなかった」と説明する。
ただここに関しては自然の産物ともいえ、どうにもならない部分といえる。とにかく「コースとして心掛けたのは、フェアウェイは常にフェアであるようキープし、グリーンは選手ごとに技術の差がしっかり出るように厳しくセットする」という、人の手が介在できる部分にコースとして注力してきた。