3本とも同じスペックに見えるユーティリティには、ちょっとした工夫がある。「実は5Uだけ10グラム重いシャフトを入れています。4Uと同じ重さのシャフトだと、辻プロはコントロールしにくかった。そこで10グラム重くすることを提案すると、球筋が安定して辻プロも納得してくれました」と佐竹氏は教えてくれた。アイアンとの“つなぎ”の部分である5Uのシャフトを重くする工夫は、アマチュアにも参考になりそうだ。
■PWと58度はノーメッキでスピン性能をアップ
写真を見てわかるように、PWと58度のウェッジはノーメッキタイプを使っている。アイアンセットのPWだけノーメッキにしているプロも珍しい。「PWから下はコントロールショットがメインになってきます。スピンをかけたり打感をやわらかくするために、ノーメッキにしているのです」(佐竹氏)。
辻は昨年まで48度のウェッジを入れていなかったので、PWでその距離の範囲もカバーしていた。その名残でコントロールする距離の範囲が広いPWと58度がノーメッキとなっている。さらに58度は、グリーン周りでソフトに打つこともあるため、シャフトをアイアンの流れの『Zelos 8』ではなく、『MODUS3 WEDGE 105』を入れて重くしてある。
今シーズンは開幕から2戦とも予選落ち。これにはドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティをごっそり入れ替えた影響もあるかもしれない。試合のテンションの中で新しいクラブが馴染んで機能してくれば、仲の良い渡邉彩香のように結果がついてくるだろう。
【辻梨恵のクラブセッティングと番手別飛距離】
1W:RS5(2020) 9.5度 anti Gravity prototype 5(SR) 230y
3W:RS5(2020) 15度 anti Gravity prototype 5(SR) 210y
5W:RS5(2020) 18度 anti Gravity prototype 5(SR) 200y
7W:RS5(2020) 21度 anti Gravity prototype 5(SR) 190y
3U:RS5(2020) 19度 Tour AD UT-65(S) 190y
4U:RS5(2020) 22度 Tour AD UT-65(S) 180y
5U:RS5(2020) 25度 Tour AD UT-75(S) 170y
6I:iD nabla RS FORGED(2014) N.S.PRO Zelos 8(R) 160y
7I:iD nabla RS FORGED(2014) N.S.PRO Zelos 8(R) 150y
8I:iD nabla RS FORGED(2014) N.S.PRO Zelos 8(R) 140y
9I:iD nabla RS FORGED(2014) N.S.PRO Zelos 8(R) 125y
PW:iD nabla RS FORGED(2014) N.S.PRO Zelos 8(R) 115y
48度:0 WEDGE N.S.PRO Zelos 8(R) 105y
52度:0 WEDGE N.S.PRO Zelos 8(R) 95y
58度:RS WEDGE prototype N.S.PRO MODUS3 WEDGE 105 80y
PT:TRADITIONAL SPORTS Analysis 30th
