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収入は「3分の1」まで減少、「動画作成」や「研究」で時間を有効活用… プロキャディ達の“リアルな声”【ゴルフ界の今】

収入は「3分の1」まで減少、「動画作成」や「研究」で時間を有効活用… プロキャディ達の“リアルな声”【ゴルフ界の今】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年5月7日 12時00分

■“未来への投資”をする姿も

このような苦境のなかでも、来たる開幕に向け、トレーニングを行っているというのは、今回話を聞いていて共通する部分だった。申ジエ(韓国)の専属キャディを務める齋藤優希氏は、「実際にコースへ行かないと、どうしても勘が鈍ってしまう。自宅のすぐ近くにゴルフ場があるので、そこで2ホールを借してもらい、人と接触しないような形でプレーをしたりして過ごしています」と“調整”の様子を話してくれた。

また自宅でのトレーニングは、今できる最低限の準備となる。いざ試合が始まった時に、選手のバッグを肩にかけ1日18ホールを歩くための体力は維持しなければならないからだ。鈴木愛らのバッグを担ぐ宮崎晃一氏は、もともとスポーツジムで体力作りに励んできたが、現在の状況も考慮し2月で退会。「今は自宅に簡単なトレーニング器具をそろえ、もっぱら筋トレをしています。あとは読書、映画観賞、愛猫とのふれあいの日々です(笑)」という時間を過ごしている。

目の前の生活や試合の準備以外で、日々の生活を充実させるための過ごし方についての話を聞くこともできた。昨年、淺井咲希の初優勝を支えた栗永遼氏は、動画作成にも打ち込んでいる。「仲間とYouTube(GOLF BASE TV)をやっているので、その企画を考えたり動画の編集を勉強したりしている状況です。プロキャディを知ってもらう機会を作ることができればと精進しています」。こういった取り組みは、まとまった時間が必要不可欠となってくるだけに、現状を有効に生かす一つのモデルケースでもある。

青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏は、「ピンチはチャンスと考えるようにして、家を学びの場としてゴルフの研究をする時間に費やしています。ただ本を読んで勉強するだけでなく、その裏付けをする時間も十分にある。これまでやりたくてもできなかったことに向き合えるので有意義ですね。1日1冊は本を読むことが目標です」と、こちらも前向きに毎日を過ごしている。こうした“未来への投資”は、モチベーション低下を防ぐための方法にもなりうる。

「キャディ同士でも『早く始まってほしいね』という話はしています。おじさんが多い世界で、普段は『休みたい』なんて言い合っているんですけど、仕事がないと、そんなことは言ってられない(笑)。当たり前のことに感謝しないといけないと、つくづく思いますね」という新岡キャディの言葉は、他のキャディも同じことを感じる部分だろう。とにもかくにも、1日も早くツアーが始まることを信じて、選手にとっての心強いパートナーたちも歯を食いしばっている。

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