【写真】誇らしげに28個目のカップを掲げるアン・ソンジュ
通算30勝。年間5勝を挙げても6年かかる途方もない勝ち星の数だ。試合数が増えたとはいえ、フィールドも厚くなっている。次から次へと実力のある新人たちが入ってきては、入れ替わる。そんな中で“ウイナーズサークル“にしっかりと腰を据え、長いあいだ勝ち星を重ねていく選手が何人かいる。ソンジュはその一人だ。それでも、30勝は遠い。
通算23勝で迎えた今年の春先に、ソンジュが目標にしていたのは通算25勝だった。永久シードについては「子供を産んでからなら『子供のために』ってやる気になるかなぁ」と、まだまだ現実的ではない、といった口ぶりだった。しかし、半年が経った今、それが手の届く目標になりつつある。
現在、女子の永久シード選手は、樋口久子、岡本綾子、ト阿玉、大迫たつ子、森口祐子、不動裕理の6人だけ。2004年に不動が最年少の27歳285日で30勝目を挙げた後、これに続く者が出ることは想像もされていなかった。
それほど達成が困難で名誉ある永久シードだが、その一方で制度そのものに対してそろそろ考える時期が来ているように思う。6人の中で、現在、ツアー出場を続けているのは42歳の不動一人だけで、今季は5試合と限定的だ。もちろん、不動がそんな風に現役を続けていられるのも、永久シード権があるからこそだし、試合ではファンを感動させられるだけのプレーができているのだから、言うことはない。