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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】賞金女王、シード権争いはもう盛り上がるべきなのになぜ?

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】賞金女王、シード権争いはもう盛り上がるべきなのになぜ?

配信日時:2018年10月9日 19時36分

2年連続賞金女王がかかる鈴木愛
2年連続賞金女王がかかる鈴木愛 (撮影:米山聡明)
シーズン佳境となった日本女子ツアーが、今一つ盛り上がりに欠けるのはなぜだろう。理由の一端は、シード権争いと賞金女王争い、それにまつわる人間ドラマと言う一番面白い部分を、ツアー自体がまったく掘り下げないところにある。

昨年のメルセデス・ランキングの表彰式〜キーを持って笑顔を見せる鈴木愛

1試合1試合の結果、選手のプレーぶりを取り上げるのは当たり前だが、スポーツが感動を呼ぶのは、選手それぞれの人生が見え隠れするから。それがわかっていないとしか思えない。

残り7試合といっても、最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」と、日米共同大会「TOTOジャパンクラシック」の2試合は、出場選手が限られるため、シード権争いは実質5試合にかかっている。10月に入れば、その話題でいくらでも引っ張れるのに、LPGAオフィシャルウェブサイトの内容はあくまで無難なもの。スタッツの中にあるランキングと、当たり障りのない話、それに選手個々の話にチラホラとシード権争いと賞金女王争いの話が入り混じるばかりだからだ。

プロゴルファーが“賞金稼ぎ”である以上、いかに生臭くても、そこから話をそらすわけにはいかない。ロレックス(女子世界)ランキングのように分かりやすいにしたのならそちらを取り上げてもいいのだが、日本ではメルセデスランキングというポイント制度を作ったものの、話題になるのはシーズン末のLPGAアワードの時だけで、定着しているとはいえない。積極的に告知されなければ、オフィシャルスポンサーのメルセデス・ベンツにもメリットは少ないのではないか。

シーズン終了へのカウントダウンが始まったのなら、ストーリーを読みながら常にランキングが見られるようにする、など、工夫のしようもあるだろう。その努力が全く見られない。せっかく、ファンは1試合、1試合の行方だけでなく、シーズンを通じた選手たちの動向を見つめているというのに、もったいない限りだ。

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