トップ合格者に、本当に実力を試す機会を与えるのであれば、むしろテスト翌年1年間の出場権を与えることにすればいいのではないだろうか。実は、急に試合に出られることになったトップ合格者が、わけのわからないうちに、夏休み期間のホテル、交通機関の手配に追われ、ドタバタ劇を演じるのはよくある話。高額の出費を余儀なくされて、慣れない試合でぼろぼろになり、経費ばかりがかかって稼げないケースも少なくない。もちろん、実力の世界だから本人の問題だ、といわれればそれまで。だが「出場権を与えている」という姿勢で、後のことを考えないのもいかがなものだろうか。どうせ毎年1人はその後の試合に出場できるのだから、ホテルの予約くらい押さえておくという手もあるはずだ。
松田も昨年は、右も左もわからないうちに試合に追われ、苦労して賞金ランキングは112位。だが、QTを18位で突破して前半戦を戦い、リランキングは7位となり、順調に結果を出している。
この先、松田がさらに活躍し、他の称号が付けば“プロテストトップ合格の〜”という前書きはいらなくなる。今年、トップ合格したエイミー・コガも同様だ。さて、2人はこの先、どんなプレーを見せてくれるのか。他の称号がつくことを祈りたい。(文・小川淳子)