だけど、石川が目指す方向性は違う。改めて気持ちを固めた。「この1年の自分のプレーをしていてはこれ以上は上にいけない。去年のプレーは10オーバーは打たないかもしれないけど、6アンダー、7アンダーもないっていうプレー」。大叩きはしないけど、どこか物足りない。なにより、やっている自分が楽しくない。
だったら、予選落ちでもいいから攻めていく。「マキロイにしてもデイにしてもリッキーにしても、PGAの上の選手になればなるほど遊んでプレーしているように見える。自由に遊んでいる。それを見て周りも盛り上がる」。遊んでいるように自分のやりたいことを。この「ANAオープン」の272ストロークはこれからの自分を体現していた。
「日本ツアーに出て、ギャラリーの方から“そのゴルフじゃあアメリカいってもなぁ”と思われるよりは、“ハマればアメリカで勝てるんじゃないか”と思ってもらえるようなプレーをしたい。アメリカのツアーで優勝を狙っていると伝わればいいなと。1人でも思ってくれれば嬉しい」。“アメリカでも攻めていく―”石川遼からのメッセージは皆さんに届いただろうか。