■16時間食べないことで細胞が生まれ変わる
実は、ものを食べない空腹時間を『16時間』に設定した理由はもう一つあって、それが『オートファジー』と関係してくる。16時間食べないことで私たちの体の中ではどういったことが起こっているのか、『オートファジー』とは何なのか、そしてその効果について青木医師に教えてもらった。
「私たちの体は約60兆個の細胞で出来ていますが、その細胞は主にタンパク質で作られています。このタンパク質のうち古くなったものは体外に排出されていくわけですが、中には排出されずに細胞内に残ってしまうものもでてきます。そういった古くなったタンパク質が溜まると細胞は衰えていき、さまざまな体の不調や病気を引き起こす原因となります。
そうならないために、細胞内では、古くなったタンパク質を集めて、それを分解して新しいタンパク質を作る作業が行われています、これがオートファジーです。つまり、古くなった細胞を内側から新しく生まれ変わらせる仕組みですね。こうやって細胞が生まれ変わることで、体の様々な器官の機能が活性化し、病気になりにくく若々しい体になるのです」
要するに、廃品を回収してそれを再生利用するリサイクルが体の中で行われている、それが『オートファジー』なのだ。全身の60兆個の細胞のすべてでこの『オートファジー』が行われていることを想像してみよう。チャン・キムの言う『活力』が一日中保持され気力が漲るというのが、本当に体の中で起こっているのだと思えるではないか。