30回目の優勝を挙げた片山は、この2打目について次のように説明した。「2打目の位置からは10回打って7回は乗せられたけど、3回はボギーになる可能性があった。レイアップならパーは獲れるし、バーディまであるからそっちを選んだ。そして(小林の)内側につけられたのが大きいね。僕が先にパットを打つことになっていたら下りで強く打てないし、それを見た彼もイーグルを狙ってくる。僕も何度もそうやって逆転したから分かる。最後の2転がりくらいだったけど、ああいうところなんだろうね、勝つって」。仮に数センチ片山の方が遠くて、先にバーディパットを打っていたら、小林はイーグルパットを決めていただろうとも付け加えた。
片山の言葉は同じフィールドで戦っていた小林には説明無用。「僕なら無理して(グリーンを)狙っていたかも知れない。片山さんは自分のゴルフを知っていらっしゃる。片山さんに追いつけそうな場面もありましたが、2つ3つぐらい届かなかった。自分にはまだ経験が足りない。もっと自分のゴルフを知らなければいけない」。“常勝者”片山との経験の差を肌で感じた。結果は1打差の惜敗だったが、優勝の壁は遠く感じ潔く負けを認めた。
この年は自己最高の賞金ランキング34位に入ったが、翌17年に賞金シードを喪失。3年間苦しんだが昨シーズン、「パナソニックオープン」で4位タイなど賞金ランキング48位で賞金シード復活。6年前の優勝争いを糧にする。