ショットの復調の兆しが見えないまま2018年にシード落ち。この3年は「自分を見つめ直したけど、テンションが上がらなくて。解決策もイマイチ。試合に出ても勝負にならないです」。シード選手という勲章を手放したことで気力も成績も上がってこない。「練習ではいいのに、試合になるとまた同じミスをする。もう嫌だなってなっちゃう瞬間があるんですよ」。一度シードを落とすと復活する選手は少ないが、身をもってその難しさを感じた。
■仲間のアドバイスをきっかけに、フェードが戻ってきた!
しかし、昨年末、きっかけをつかんだ。「昔から一緒に回っていたプロから、『昔はこうだったよ』と、いいアドバイスをもらいました」。詳しい話は企業秘密とのことだが、それを取り組むことで「やっと(目標より)左に向いて構えられるようになり、フェードも打てるようになりました」と光明を見出した。
ドライバーのシャフトは45インチに戻した。「飛ばしてやろうという気持ちがようやくなくなってきました」。大事なのは安定感。年間を通していかに優勝争いをして、トップ10の回数を増やすかが長く戦う秘訣。一発屋は長く続かない。そう心に誓った。「ゴルフが楽しいと思えることが大切。そうじゃないとモチベーションも上がらないですから。そして試合での結果です。『75』を叩いて“楽しい”はプロとして違います。予選通って、いい成績を残してお金を稼ぐのが仕事。そうなると楽しめるし、自信もつくと思います」。
今年は下部のアベマツアーが主な舞台となりそう。かつての針の穴を通すような正確なフェードボールを取り戻し、レギュラーツアー復帰、6勝目への階段を上り始める。今年39歳、まだまだ老け込む年ではない。