そのなかで、メルセデス・ベンツトータルランキング賞(※)というものがある。総合的に優れた選手を選出することを目的に、平均ストローク、平均パット数、パーキープ率など、主要9部門の順位をそのままポイント換算し、合計して最も少ない選手が1位となる。
この今季の総合力ナンバー1の称号を手にしたのは大槻智春だ。イーグル率とトータルドライビングで1位。バーディ率3位、サンドセーブ率4位など上位が多く、最も悪くてもドライビングディスタンスの22位。総合ポイントは88で、2位・金谷拓実の127ポイントを大きく離している。この88ポイントは、9部門で算出されるようになった2002年以降、06年の片山晋呉の92を上回る歴代最高のポイント。大槻がいかに穴のない選手かが分かる。
「総合力1位とは感じないですよね。勝ちたかったです」。19年に「関西オープン」でツアー初優勝を遂げた大槻。今季は2位4回、3位2回を含むトップ10入り12回で賞金ランキングは10位に入ったが、2勝目を手にできなかったことに悔いが残る。
「パッティングが入らなさすぎましたね」。シーズンを通して入ったという記憶が少ないという。平均パット数(パーオンしたホールのみ)の数値を見ると1.7563で16位。パーオン率は69・67パーセントで7位、バーディ率は4.17で3位と、データだけ見ると、きっちりバーディが獲れているように感じるが本人の肌感では違う。
「外しているところが自分の中で際立ちます。あとあと考えると、あの2メートルが入っていればとか。それで流れが悪くなったりするじゃないですか」。ショット力が高く、チャンスを作るが決められないことで、ゲームの流れが変わりやすくなる。そのあたりが優勝に届かなかった要因と分析する。
「パッティングが気持ちよく打てるかどうかは練習です。入るかどうかは、どこまで追い求めていいのか難しい。ライン読みが下手なんだと思います」。“入っていない”嫌な思いを払拭するために試行錯誤してきたが、解決には至っていない。今でも十分バーディは獲れているが、グリーン上が来季の課題である。
「来年こそは…」。未勝利に終わった分、来年は複数回優勝が目標だ。今年の「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2020-21」初日、「あれはやばかった」とグリーン上が冴えわたり、24パットで「60」をたたき出した。少しでもパッティングが入り出したら、間違いなく来季の賞金王候補に名乗りを上げるだろう。
※メルセデス・ベンツ トータルランキング賞とは、総合的に優れたプレイヤーを選出することを目的に平均ストローク、平均パット、パーキープ率、パーオン率、イーグル率、ドライビングディスタンス、フェアウェイキープ率、サンドセーブ率の9部門の順位をそのままポイント換算し、そのポイントの合計により順位を決定する。
