きょうの強い雨風は、「全英オープンの予行演習だと思ってプレーしていた」という木下。2日目の平均スコアが5.017という最難関の17番パー4では、ドライバーの低い球でフェアウェイをとらえ、池越えとなるピンまで残り174ヤードのセカンドショットでは、8番アイアンでピンの奥2.5メートルにつけてバーディを奪った。
「(右ドッグレッグの)17番のティショットはドローヒッターの僕には少し打ちにくい。低いボールのイメージで、きょうは狙い通りに完璧に打てました」と、昨年1月に全英出場が決まってからメインで練習してきた低いボールが見事にはまった。強雨のなかで得意のアイアンの縦距離も完璧にコントロール。この日17番でバーディを奪ったのは、木下を含めてわずか5人だった。「きのうもバーディを獲ることができて、難しいホールで2つも伸ばすことができてうれしいです」と、難関攻略に笑顔を浮かべた。
念願の初優勝はもちろんだが、この大会で勝つことは大きな意味を持つ。通常の試合では2年シードだが、メジャーに優勝すれば5年シードが与えられるのだ。「メジャーは一番獲りたい試合ですし。5年シードをいただけるのはすごく大きい。もし優勝できたら、ヨーロッパツアーのQTとか、そういうところにトライする時間がもらえる」。木下は世界へのトビラを開くことができるだろうか。(文・下村耕平)
