放射線量に問題ないことを各方面にアピールしながら、プレー代を下げる営業努力もするなど営業を軌道に乗せた。そして近年は、「震災のことは気にしなくてもいい営業状況になりました。それが昨年の4、5月にはコロナの影響で厳しくなり、2カ月ほど弁当付きのスループレー営業に切り替えたのです」。毎年行われる地元の優良企業の貸し切りコンペもなくなったりと、業績に影を落とした。
震災直後は避難指示区域から避難してきた人たちが気晴らしに訪れることも多かったという。放射能の風評被害がひどかった時も、「年だから気にしない」とやってくる年配の人もいた。苦しい状況下の昨年も「家にいても仕方ない」とやってくる年配客に支えられ、コロナ禍で増えてきている若い客が来たり、夏前くらいから通常営業に戻したコースに人が戻ってきた。利用客が例年を超える月が出るなど後半にかけて盛り返しを見せたそうだ。
とはいえ県内のほかのコースでは、「関東からのお客様は遠慮して来られない印象があります」との声もある。厳しい状況が続いてることに変わりはないのだろうが、赤井さんからは、「震災は乗り越えて元気に営業しています。去年はコロナの影響もありましたが何とか持ちこたえています」と明るい声が返ってきた。
■グランディ那須白河ゴルフクラブ(西白河郡西郷村)
震災をきっかけに、2014年からスタートした男子レギュラーツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。同大会の前身にあたる「福島オープンゴルフ」から会場を長年に渡り務めるのは福島県西白河郡西郷村のグランディ那須白河ゴルフクラブ。雪によるコース閉鎖が終わり、1日から営業を開始している。