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ベルンハルト・ランガーが最後のレギュラーツアー 地元のDPワールドツアーは“直ドラ”締め

DPワールド(欧州)ツアーのドイツ大会は第2ラウンドが終了。ベルンハルト・ランガーが地元で最後のレギュラーツアーを迎えた。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2024年7月6日 11時30分

<BMWインターナショナル・オープン 2日目◇5日◇GCミュンヘン・アイヒェンリート(ドイツ)◇7347ヤード・パー72>

母国ドイツのミュンヘン郊外で開催されているDPワールド(欧州)ツアーの「BMWインターナショナル・オープン」の会場、GCミュンヘン・アイヒェンリートの18番グリーンは、ベルンハルト・ランガーをスタンディングオベーションで迎えた。3メートル弱のパーパットを沈めると右手で大きくガッツポーズ、大歓声には両手を挙げて帽子を何度も振って穏やかな笑みで応えた。

出国直前の中島啓太【写真】

66歳のランガーにとって513試合目となる欧州、DPワールドツアーは残念ながら決勝へと進むことはできなかった。通算42勝は故セベ・バレステロス(スペイン)の50勝に次ぐ歴代2位。1972年のプロ転向以来50年以上にわたり戦ってきたが、最後の欧州ツアーとなった。

「言葉にできない。50年、51年と夢の中で生きてきた」と声を詰まらせた。

初日は「71」の1アンダーで終えたが、2日目は前半でひとつスコアを落とした。予選通過には最終18番パー5でイーグルが必須。残り287ヤードのフェアウェイからランガーが手にしたのはドライバーだった。2オンを狙ったが残念ながらグリーン右手前の池につかまった。最後はきっちり3メートル弱に寄せてパーセーブ。最後までランガーらしいプレーを披露した。

85、93年と2度の勝利を挙げた「マスターズ」は、今年4月に最後の出場を表明していたが、2月にアキレス腱を断裂し、最後のマスターズは2025年に延期。5月にはシニアのPGAツアー・チャンピオンズに復帰し、以降6月の「全米シニアオープン」を含む6大会に出場し、「プリンシパル・チャリティ・クラシック」では3位に入っている。

「ここから45分のところで生まれ育った。30分のミュンヘンCCでアシスタントプロとして働いた。ここにはたくさんの友人、親戚がいて、何年もゴルフを支えてきてくれた」という。プロ転向したのは72年当時のドイツでは、プロゴルファーという職業がどういうものか、認識されていなかった。

ドイツ初のマスターズ・チャンピオンに輝いた一方で、“イップス”に悩まされた時期もあった。91年の「ライダーカップ」では1.5メートルを外して米国チームが勝利したこともある。

50歳になってからはPGAツアー・チャンピオンズで勝ち続けて、歴代1位の通算46勝を挙げている。

86年、ゴルフ界に世界ランキングが登場したとき、初の1位に輝いたのはランガーだった。

「まだ一度も別れを告げたことがないから、ほんとうに胸がいっぱいだ」というランガーだが、PGAツアー・チャンピオンズへの戦いはまだまだ続く。(文・武川玲子=米国在住)

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