一般社団法人ジュニアゴルフサポート協会(JGSA)が主催する「ジュニアゴルフ サイエンスプロジェクト」が8月28日、東京・日本橋三越本店の「アローズラボ&ジム」で開催された。参加したのは、小学校高学年から高校生までのジュニアゴルファー12人。身体能力測定やスイング診断、ストレッチ、コンディショニングなどを通じて、自身の身体について学ぶ一日となった。
■ゴルフだけでは分からない「自分の身体」を知る
JGSAは「アカデミックとゴルフの両立」を理念に掲げ、2025年に設立された団体。ゴルフだけでなく、学業や仕事、他の分野やスポーツなどにも取り組む「デュアルキャリア」の重要性を広め、ジュニアゴルファーが多角的なスキルを身につけながら自身の可能性を広げるための活動を行っている。
今回のプロジェクトもその一環。JGSAが主催し、エイジェックスポーツマネジメントが企画・運営、スポーツ科学が運営を担当した。
テーマは「身体能力×スイング×コンディショニング×ケア」。普段のゴルフ練習だけでは把握しづらい自身の身体の特徴や能力を科学的な視点から知り、競技力向上やコンディショニングにつなげていく。
イベントの中心となるのが、「スポーツ版人間ドック」ともいえるフィジカル検診だ。
まずは身長や体重とともに、全身の筋肉量や脂肪量などを測る身体組成検査からスタート。その後、スポーツに必要な「見る力」を調べるスポーツビジョン、股関節の屈曲・伸展筋力を測る筋力検査、最大酸素摂取量を調べる持久力検査、さまざまなジャンプによる跳躍力検査へと進んでいく。
最後に待っているのは瞬発力検査。5秒間の全力走と5秒間の休憩を6回繰り返し、ダッシュのスピードだけでなく、その速度を維持しながら繰り返す能力もチェックする。かなりハードなメニューだけに、ジュニアたちも息を切らしながら全力疾走。周囲からは「がんばれ!」「いけ!」と仲間を応援する声も飛んだ。
すべての検査が終わると、結果はすぐに分析され、参加者と保護者にフィードバック。それぞれの身体能力の特徴に加え、今後どんな能力を伸ばしていけばゴルフのパフォーマンス向上につながるのかについてもアドバイスを受ける。
測定には、味の素ナショナルトレーニングセンターで採用されているものと同様の機器も使用。一流アスリートも自身の身体能力を知るために活用している測定を、ジュニアゴルファーが体験する機会となった。
■身体能力のデータをスイング改善につなげる
フィジカル検診で得られたデータは、JLPGAトーナメントプロの佐藤千紘にも共有。今度はその結果をゴルフの動きへとつなげていく。
施設にはディテクトのゴルフシミュレーターに加え、ショット時の体重移動を測定できる「ボディトラック・ゴルフシステム」を導入。ショットデータと身体能力の測定結果を照らし合わせながら、一人ひとりに約15分のワンポイントレッスンを行う。
参加したジュニアには普段指導を受けているコーチがいることもあり、今回はスイングそのものを大きく変えるのではなく、それぞれの身体の特徴を生かした使い方がアドバイスの中心。短時間ながら、アドバイスを受ける前よりも体をダイナミックに使えるようになるジュニアの姿もあった。
スイング診断と並行して行われたのが、ヒューマンアジャストによる可動域チェックとストレッチアドバイス。専用機器を使って可動域や柔軟性をチェックし、ケガを予防しながらゴルフを続けるために必要なストレッチについてアドバイスを受ける。
さらに、DENBA(デンバ)によるコンディショニング体験も用意。トータルボディコンディショニングシステム「DENBA Health」を実際に体験する機会も設けられた。
参加者はゴルフ打席、ストレッチ、コンディショニングの各ブースを順番に回り、パフォーマンス向上からケガの予防、日々の身体のケアまで幅広く体験した。
■「自分の身体を知る」ことも上達への一歩
普段の練習やラウンドとは大きく異なるプログラムに、開始直後は戸惑った様子を見せるジュニアも。それでも終了後には「楽しかった。すごく参考になった」と笑顔を見せた。
ゴルフの上達というと、スイングやショットの練習に目が向きがちだ。しかし、自分がどんな身体的特徴を持ち、どこに強みや課題があるのかを知ることも、パフォーマンスを高めるための一つの方法になる。
JGSAでは今後も、ゴルフ技術だけにとどまらず、ジュニア選手が自身の身体を理解し、長く競技を続けながら可能性を広げるための機会を提供していくという。
