普段は着るものに無頓着でも、せめてゴルフのときくらいは流行を意識した服装を心掛けたいと考える人は多い。しかし、ファッションは時代によって変わるもの。今回はウェアで失敗しがちな話を、四六時中ゴルフ漬けのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が語る。
「一番ダサいのは、若いゴルファーの真似をしているおじいちゃんたちです」
これはインフルエンサーの若いゴルファーの厳しいコメント。いわゆる、イタいオールドゴルファー(イタい=若者言葉。勘違いの言動で見苦しいこと)へのアドバイスです。
ここで注目したいのは“おじいちゃん”というワード。おばあちゃんの若作りはカワイイと許容されていること。そして彼らにとって、40代がおじさんで、50代以上はおじいちゃんとカテゴライズしていることです。反論もあるでしょうけれど、自分たちが若者だった頃、やはり、50代以上はおじいちゃんだったことを思い出せば、反論している時点で都合良く自己中心的な思考になっている証明で負けています。
冷静に振り返ると、現在の“おじいちゃん”たちの青春時代は、今ほどオシャレではありませんでした。制服を着崩して個性を出そうとすれば、行き着く先は不良風のツッパリファッションだったり、若者がリードして作られるファッションというオシャレな分野は存在していませんでした。だから、中高年のゴルファーはオシャレに実績も自信もなく、真似しやすい若者を参考にしてしまうというパターンが多いのかもしれません。
ファッションは生き物だといわれるように、敏感に変わっていきますが、それに対応できないことも悲喜劇的お笑いポイントになっています。代表的なものは、タックアウト=中高年です。今はもう、オシャレに敏感な若いゴルファーはタックインがゴルフファッションの基本です。
お腹が出ているのを隠すためにタックアウトしている人もいますが、これは逆効果。タックアウトすることで、胴体が長く見えて、お腹が出ていることが強調されて、さらに短足に見えるというマイナスもあります。(若いゴルファーがタックアウトをやめた理由は、短足に見えるというマイナスがあったからだと分析されています)
複数のスタイリストに、迷える中高年のゴルファーへアドバイスを求めたことがあります。答えは、至ってシンプルでした。
「テーマは清潔感とオーソドックス。悪ぶらず、真面目が正解」
「参考にするのは、米ツアーのツアープロ。柄なしで、シンプルにカラーを楽しんでいるから。その中でもオシャレ番長のアダム・スコットが、ユニクロを着用していることに注目。シャツもパンツも彼のブランドとして売っているし、スタイルフォト(組み合わせなどの実例)がホームページで見られるので参考にして、同じものを揃えるのに抵抗があるなら、似たものを探せばOK」
異口同音に、このようなアドバイスをもらって、個人的に助けられています。辛辣なコメントで有名な業界人からも、「デブだからこそシンプル、上手にゴルフウェアを着こなしている」と褒めてもらったこともあります。
結局、おじいちゃんゴルファーたちは、真面目だから不良ぶったりするのを見破られて、ダサく思われがちなのです。このコラムをきっかけに、真面目にシンプルにゴルフウェアも楽しんで、ゴルフも充実させて、背中で語るゴルファーとして、リスペクトしてもらえれば最高なのです。(文・篠原嗣典)
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」。
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