“そういえば、ありそうでなかった”という盲点を突くのは、ファッションでも効果的なアピールの方法。今回の目利きであるファッションライターの瀧川修平さんは、シャツを取り入れたゴルフスタイルを、まさにそんな盲点を突かれたという感覚で受け止めた。

「ゴルフには普段着とボーダーレスなウエアがいいとは思いますが、さすがにフツーのオックスフォードのシャツでプレーするのは厳しい。だからゴルフウエアとしてのシャツという存在は頭から消えていました。けれどコレなら大丈夫ですね。素材は伸縮性があるし、後身頃はニットになっているのでさらに動きやすくなっています。また腕を上げやすいように袖も立体裁断になっていますから」。

「フロントはスナップボタン。しかもフライフロントで隠されています。デザインも左右非対称。こうしたワザは見慣れたベーシックなシャツのルックスではなく、ハイテク感をイメージさせるモダンでスポーティなデザインに合いますし、このグレーのようなソリッドなカラーが似合います。しかもシャツをアウトしても着られるデザインなので、ブルゾンのように着ることもできそうですね」。

「このシャツを見ていると、ポロシャツではなくシャツでゴルフというのもアリですね。もっと言えば、イケてるような気がします。それに、そういえばなかったというところを攻めるのはファッション的にもいい戦略です。しかもシャツはゴルフシーンではめずらしいとはいえ、奇をてらっている感じでもありません。凄く機能性の高いアイテムなのに、それを声高に主張していないルックスもいい。新しい着こなし提案なのですが、ハードルが高いわけではありません。これをベースに、見た目がもっとフツーのシャツっぽいウエアも登場したらいいですね」。


ポリエステル100％　吸汗速乾・ストレッチ
￥14,000（オークリー）

今日の目利き
瀧川修平（ファッションライター）

ファッション誌の編集者を経て独立。ファッションライターとして『LEON』、『MADURO』などで活躍中。ゴルフウエアも含むファッション全般の原稿を手がける。ゴルフウエアの好みは普段着とボーダーレスに着られるようなタイプという。