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マスターズの「まさか」の末の勝利と敗北【舩越園子コラム】

マスターズの「まさか」の末の勝利と敗北【舩越園子コラム】

配信日時:2016年4月11日 17時31分

 ましてや、松山自身が首位に2打差の3位という好位置で最終日を迎えたそのときに、自分より1打遅れの8位から最終ラウンドをスタートしたウイレットが、いつしか自分を追い抜き、首位を独走していたジョーダン・スピースをも追い抜き、わずか2度目の出場でグリーンジャケットを羽織るなどとは、きっと思っていなかっただろう。

 今年のマスターズウィーク中の松山は「何が起こるかわからないので」というフレーズを毎日のように口にしていた。米ツアーや世界の舞台で、いいことも悪いことも、たくさん経験してきた松山は、だからこそ予想外のことが起こると信じ、諦めず、気を抜かず、黙々と勝利に向かって進もうとしていた。

 けれど、それでもなお、誰の想像をも超えてしまうほどの「思ってもいなかったこと」が起こる。きっと、それがオーガスタの恐さであり、マスターズなのではないだろうか。

 それを一番痛感させられたのは、スピースだったと思う。前半に4つもスコアを伸ばし、通算7アンダーの首位で後半へ。折り返した時点ではウイレットより3打も上を行っていた。

 だからスピースは後半は「パーで十分」と考えた。しかし、その「パーなら十分」というゴルフの基本のような考えが、あれほど好調だった自分のゴルフを様変わりさせてしまうとは、彼だって思ってもいなかった。

「パーなら十分と思ったせいで、逆に十分に攻めることができなくなり、それが崩れる原因になった」

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