あれから2年。今日の日まで、スコットは再びそのテストに耐え抜いてきた。増えたグレーヘアも、編み出したパットのグリップ方法も、テストに耐えている間は苦悩の象徴。だが、勝利を掴めば勲章に見えてくる。必死に呼吸を整えていた仕草も、ウイニングパットを沈めて「ふー」と吐き出せば、「また勝ったぜ」という余裕の吐息に見えてくる。
米ツアー通算12勝は現在40歳以下の現役選手の中では最多勝利数となる。そして、アンカリング禁止によってロングパターをレギュラーパターに持ち替えた中で達成された初めての勝利。
苦悩していたスコットに、かつての輝きを戻してくれたものは何か――。
恐くて厳しい一方で、頑張り抜いた人間には優しい。だからゴルフは素晴らしい。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)