「一時はヘンリックから3打も差を付けられていた。でも、リーダーボードを見たら、伸ばしている選手とそうでもない選手分かれていることに気が付いた。いっそのこと、ヘンリックと僕の最終組を他選手たちから完全に引き離し、この大会を『僕ら2人の大会』に変えて、ヘンリックと僕の一騎打ちに持ち込めたらグレートだよねって話をキャディとした。そして、その通りにすることができた」
ファウラーは虎視眈々とそのためのチャンスを狙い、転機が訪れたのが11番だった。
「僕がバーディ、ヘンリックがボギーで1打差になったあのとき、ついに優勝できるポジションに付けたなと感じた。残りの7ホールは一騎打ち。2人とも、なかなかミスをしなかったけど、16番のヘンリックの(池に落とした)ミスが、すべてだった」
淡々と振り返るファウラーの言葉は、まるで、あらかじめ用意してあった台本を後からみんなに読んで聞かせている感さえあった。思い描いた通りの展開を可能にしたのは、ファウラーの冷静さが終始、保たれていたからこそ。強く揺るぎなく成長したメンタル面の賜物だ。
「楽しい1日だった。優勝という頂点に戻った気分は最高だよ」
