45歳のフューリックは世界ランク・トップ10の中で唯一の40歳代。「何年か前までは若者たちに近づくために僕も飛距離を伸ばそうと試行錯誤したけど、やればやるほど飛距離以外のことが悪くなると気付いた。だから僕は、今の僕のまま、今の僕のゴルフのままで勝負していこうと決めた」。
そうやって地道な努力とベテランなりの熟考を重ねてきたフューリック。それなのに、ついに10度目のチャンスを逃し、またしても惜敗。
一方、アイルランド出身で28歳のローリーは欧州2勝で世界ランクは48位。今年は米ツアーの正式メンバーになることを目標に掲げ、ノンメンバーリストの121位で今大会を迎えた。「あと一歩で来季の米ツアー出場権が手に入る」。そう思ってファイアストンに挑んだローリーは、72ホールを終えたとき、初優勝と米ツアーの向こう2年間のシード権、メジャー大会、数々のビッグ大会の出場資格も獲得していた。
似たようなプレースタイルでありながら、ましてや格段にキャリアも浅く、米国の芝にもまるで慣れていないというのに、ローリーはさっさと勝利を飾り、フューリックは惜敗ばかり。その現実をフューリックがどう受け止めるのかが気になった。
「我慢だよ、我慢。この土日は優勝するに足るゴルフができなかったというだけのこと。なぜ、できなかったのか。なぜ、勝てなかったのか。自分のプレーを振り返り、その答えを見い出すだけのこと。フラストレーション?そんなものは感じていない。『なぜ』の答えを見つける。ただ、それだけのことさ」
