その途上、凌ぎを削り合ってきたライバルが、ジョーダン・スピースやハリス・イングリッシュ、パトリック・リードといった現在の米ツアーで活躍中の若手選手たちだ。
トーマスがお世話になったAJGAやUSGA、NCAA、あるいは彼に生来のゴルフ環境を与えてくれた彼の父親や祖父がお世話になったPGAツアーやPGAオブ・アメリカ。もしも、そのどれか1つでも米ゴルフ界に存在していなかったら、今のトーマスは存在していなかったかもしれない。
「人間は一人では生きられない」というフレーズがあるけれど、プロゴルファーの出現や成長も、これと同じだと私は思う。
トーマスのライバルであり友人でもあるスピースは、プロ転向する際、元・学校の先生を口説き落として帯同キャディになってもらったのだが、その先生を最初にスピースに紹介したのは実はこのトーマスだった。ということは、トーマスの助けが無かったら、スピースも現在の強いスピースとして存在していなかったかもしれないということになる。
昨年、どうしたら予選落ちを防ぎ、どうしたら成績を上げることができるのかと悩んでいたトーマスに、あるベテラン選手が惜しみない助言を与えたそうだ。