遼、カットラインに2打及ばず…2015年初戦は予選落ち
そのハースと最終組をともに回ったエリック・コンプトンとジャスティン・トーマスには、どちらも初優勝の期待がかかっていた。コンプトンは2度の心臓移植を受け、奇跡的にカンバックしたミラクルボーイ。トーマスは21歳のルーキーながら先週のソニーオープンでも6位になったばかり。が、どちらも最終的には大混戦を抜け出せず、トーマスは7位、コンプトンは10位に終わった。
それにしても、この日の大混戦ぶりは、まさに米ツアーの層の厚さを物語るものだった。混戦の顔ぶれが最終日を上位で迎えた選手たちばかりなら、そういうものだろうと頷ける。だが、この日は24位だったウエブ・シンプソン、40位だったコルト・ノストといった面々が一気に8つも9つもスコアを伸ばして優勝争いに加わり、優勝予想などまるでできない展開だった。
スコアを1つ、2つと伸ばし、落としては取り返す。上位15名前後が目まぐるしく入れ替わる激しい戦いぶりを眺めていたら、米ゴルフ界の選手を育んでいる縦横斜めの立体構造が浮かび上がってきた。
たとえば、ルーキーのトーマスは父親も祖父もゴルフのプロフェッショナルという家庭に生まれ、ゴルフが核となる生活が当たり前という構造の中で育った。祖父はPGAツアー選手だったこともあり、以後はPGAオブ・アメリカ所属のクラブプロ。父親は根っからのクラブプロで、やはりPGAオブ・アメリカ所属だ。