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【舩越園子コラム】新シーズンは複雑な1年になる!?

【舩越園子コラム】新シーズンは複雑な1年になる!?

配信日時:2014年10月7日 12時08分

 ライダーカップに向ける意欲やプライドは欧米選手にとっては何よりも大きく重いと言われ、単なるお祭り的な一大会では片づけられない複雑な想いが彼らの中には存在する。そのライダーカップで米国チームの和が乱れ、偉人と崇められてきたワトソンが瞬く間に責任を問われる立場に追い込まれる形になり、米ゴルフ界が大揺れしている中で迎える米ツアーの新シーズン。この微妙なタイミングが米国選手たちのパフォーマンスにどう影響するかが、開幕シリーズの見どころの1つになることは間違いない。

 とはいえ、一見すると米ツアーや米ゴルフ界にとってネガティブに見える要素も、見方や考え方次第では、いずれもポジティブに変換できる。コップに水が半分あるとき、「半分しかない」と思えばネガティブ、「半分もある」と思えばポジティブ。それだけの差だと言うこともできる。

 たとえば、メジャーチャンプ4人の中に米国人はゼロではなく1人いたと思えばポジティブ。そして、新シーズンはその倍の2人に、いやいや3人に増やそうという具合にモチベーションが高まれば、それは米国人選手たちの起爆剤になる。

 さらに前向きな見方をすれば、14年シーズンの米ツアー勝者は46試合(メジャー含む)のうち32人が米国人、プレーオフ4試合はすべて米国人、フェデックスカップの年間王者に輝いたのも米国人のビリー・ホーシェルだったわけだから、何から何まで米国勢が欧州勢に押されっぱなしだったわけではない。

 ピラミッドの上層の小さな一角だけはライダーカップ圧勝の余波もあって欧州勢の勢いが強まり、多国籍化の波も手伝って、新シーズンは米国勢にとって正念場になる。が、その一方で、上層部分にはジム・フューリクバッバ・ワトソンマット・クーチャーリッキー・ファウラーなどの米国人も混ざっており、そのすぐ下には、クリス・カークパトリック・リードなど新たなるビッグスター予備軍たちも多数ひしめいている。その意味では、新シーズンは米国勢にとって黄金時代への過渡期にもなる。

 新シーズンは正念場の要素と過渡期の要素が混ざり合う複雑な1年。だが、明るい要素が見える前向きな複雑さというところに大いなる期待が持てそうだ。

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