惜敗が決まり、クラブハウスへ引き揚げてきたガルシアは、すぐさまダイヤモンド探しの結果を尋ねた。そして、女性のダイヤモンドが無事に見つかったと知り、ほっと胸を撫で下ろした。
「見つからなかったら、あの女性に代わりのダイヤモンドを買ってあげるつもりでいた。(ガルシアの現恋人の)キャシーがどう思うかはわからなかったけどね」
優勝したマキロイはトリプルクラウンのうちの2つを達成し、グランドスラムに王手をかけ、世界一に輝いた。そんなマキロイに続けざまに惜敗したガルシアは、またしても戦績では輝くことができなかったけれど、彼が気遣ったダイヤモンドは、ギャラリー女性の指輪に戻り、再び輝くはず。そして、この出来事を知った人々の胸の中、記憶の中でも、ガルシアは輝くはず。
そんな輝きの1つ1つが、いつか大きな光になって、ガルシアが誰よりも輝く日が、きっと到来するはずだ。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)