「バカ」騒動後、松山とポールターはがっちり握手 遺恨なし
米ツアーや世界の舞台で母国の選手に何かが起こると、その国のメディアは朝から夜遅くまで対応に追われ、てんてこ舞いになる。その大変さをこの記者は何度も経験して知っている。だから、この日、日本メディアがどれほど多忙で心身ともに疲弊していたかを、彼は気遣ってくれたのだ。
だが、同じてんてこ舞いでも、彼ら北アイルランドのそれと日本メディアのそれとでは、内容や事情がずいぶん違うと思わずにはいられなかった。北アイルランドの記者たちが超多忙だったのは母国出身のローリー・マキロイやグレアム・マクドウェルがメジャーの舞台で優勝を飾ったり、惜敗したりしたときで、彼ら記者たちは母国の選手を囲み、取材を続け、夜遅くまで記事を書いていた。そんな彼らの姿を目撃するたびに、大変そうだなと思いながらも、羨ましいというジェラシーを抱いた。
この日の日本メディアは確かに多忙だったけれど、それは日本人選手が大活躍したり首位に立ったりして忙しくなったわけではない。忙しくなった原因は、あのツイッター騒動が起こったからだ。
今さらコトの経緯の詳細を説明する必要はないだろう。2日目の13番で松山英樹がグリーンをパターで叩き、窪ませてしまったにも関わらず、それを直さなかったことを、後続組のイアン・ポールターが目撃し、「松山はイディオット(=愚か者)」とツイートしてしたあの一件が、3日目になって世界の注目を集める一大騒動と化してしまったために、日本メディアはその対応に追われることになったのだ。