デイが思わず苦笑してしまうほど、ゴールデンハンドはアッパレだった。大型新人の登場だな。誰もがそう思った2ホールだった。
デュビッソンは、まだ23歳の若さだ。タイガー・ウッズに憧れて12歳でゴルフを始め、2009年には欧州アマを制し、アマチュアランク世界一になった。その翌年にプロ転向し、11年から欧州ツアーにデビュー。以来、着実な向上を見せ、昨秋のトルコ航空オープンで初優勝を挙げ、一気に世界ランクをアップさせて今大会初出場となった。
デュビッソンの武器はゴールデンハンド。初出場でキャリアも浅いデュビッソンにマッチプレーをどう戦うという作戦は無かった。決勝進出を決めた直後も彼はこう言った。「ただただ自分のプレーに集中するだけ」
それならば、デイには作戦があったのか、デイの武器は何だったのかと考えてみた。
デイは今大会4度目の出場で、昨年は準決勝で敗れ、3位になった。つまり、デイにはデュビッソン以上に経験がある。そのぶん、マッチプレーの戦い方、勝ち方を知っていると言えないことはない。が、だからと言って、ほんの数回多くこの大会に出たという経験が、どこまで役に立ったのかと問われたら、それも何とも言えないだろう。