だからなのだろう。今日の石川は優勝争いができる位置からスタートし、一時的には首位に並んだりもしたのだが、彼自身は「(優勝スコアは)10アンダーはいくと思っていたから、優勝は遠いと思って、リーダーボードはほとんど見なかった」。
初めてボードを見たのは15番グリーンだったそうだ。そのとき石川は現実の目標として「トップ10のチャンスはある。がんばろう」と自身に言い聞かせた。実際にトップ10入りしたホールアウト後も「予選はしっかり通る(べき)もの。どんな調子であっても、予選を通れば、ここまで来れる」ということに満足感を示した。
それは、米ツアーで2年目を迎える石川だからこそ感じられる満足感。2年目の石川らしい変化だ。彼は1年目の経験を生かし、大きく変化している。その変化のことを、別名、「成長」と呼ぶのだろう。
それならば、米ツアー1年目を迎えたばかりの松山は、まるで昨季の石川とそっくりかと言えば、そうではない。松山が変化して成長するには、やっぱり2年目まで待たなければならないのかと言えば、そうではない。松山は1年目にも関わらず、すでに2年目の石川と同じような目線で米ツアーにおける自分の立ち位置を見つめることを知っている。
だからこそ松山は、ショットが悪くてもスコアを作り、順位を1つでも2つでも上げることを「今やるべきこと、できること」と捉えることができている。「いいパットが入っている」「去年、米ツアーで学んだことがショートゲームに生かせている」と好材料を見つけることもできている。そんな前向きな姿勢が、8週間のブランク明けの試合出場で16位という、まずまずの好発進につながったのだと思う。