報われるべき努力が報われ、実った勝利。深く熱い想いが通じた勝利。そんなハート・ウォーミングな勝利を飾った今年のメジャーチャンプたちの年齢は、スコットとローズが32歳(優勝当時)、ミケルソンが43歳、ダフナーが36歳。20歳代のメジャーチャンプが誕生するなど若年化が進んでいる近年のゴルフ界においては、ちょっぴり“高齢化”に感じられなくもない。
けれど、長い時間をかけて練習を積み、人間を磨き、しっかり土台を固めれば、簡単には崩れない強さを備えるようになる。今年のメジャー4大会は、これからも長く輝き続け、ゴルフ界を支えていく真のチャンピオンを生み出したと言えそうだ。
そんなふうにメジャーチャンプがやや“高齢化”したとはいえ、ゴルフ界に枯れてしまった感がまるで感じられないのは、メジャー以外の面で若者の台頭や活躍が目立ち、ゴルフ界の年齢的なバランスがうまく取れていたからだろう。
マスターズでは14歳(当時)の中国人少年、グァン・ティンランが予選通過を果たし、大きな注目を集めた。米ツアーでは出場資格を何一つ持たぬまま、スポンサー推薦に頼って挑戦を始めた19歳(当時)のジョーダン・スピースがジョンディア・クラシックで初優勝を挙げ、あれよあれよと言う間にトッププロの仲間入り。
そして我が日本のホープ、松山英樹が全米オープン10位、全英オープン6位に食い込み、わずか6試合で米ツアー出場権を獲得した活躍ぶりは、今さらここで説明するまでもないだろう。