リオのコース整備には若干の遅れが出ているという懸念の声も出ていたが、フィンチェム会長は「舞台づくりは、ほぼ順調に進んでいる」と太鼓判を押した。
そして、フィンチェム会長が最も強調していたのは、この点だ。
「リオ五輪はゴルフを五輪で復活させるためのファーストフット(最初の一歩)だ。だからこそ、ファーストクラスの(最高級の)舞台づくりを心がけなければいけない。なぜなら、2016年の五輪の後、ゴルフを五輪競技として定着させるべきかどうかの投票が行われるからだ」
2016年五輪で失敗は許されない。「最初だから」「不慣れだから」といったエクスキューズも許されない。100年以上ぶりに復活するゴルフを、未来の100年へ、未来永劫へ、つなげていけるかどうか。その運命を左右することになるのが、最初の一歩となるリオ五輪なのだ。
頭が下がるのは、フィンチェム会長率いる米ツアーや米ゴルフ界が、米国開催ではない五輪に対して真剣な想いを抱き、迅速に動き始めているところだ。ブラジルでも日本でもなく、米国の彼らが「2016年と2020年を主眼に置いて、五輪に備えよう」と必死になっているところだ。