とはいえ、どんな改革も浸透するまでにはそれなりの時間がかかるもの。チェンジには移行期間が付きものだ。今年より来年、来年より再来年、開幕シリーズに出場するトップランクの選手たちが徐々に増えていけば、米ツアーが改革に踏み切ったかいはあったということになる。
気になるのは、ネタとして使われたこの時評を、松山と彼の母国である日本の私たちは、どう受け取り、どう生かすべきかという点だ。
「トップランクが日本人なんて、うれしい」「松山、すごい」という具合に、そのまんま、楽観的に受け取ることは、もちろんできる。
だが、もしも、米ゴルフ雑誌から「バカにされた」「軽視された」「ふん!トップが松山で悪かったな」という具合に少しでも「チェッ!」と憤慨を感じたら、その憤慨を「今に見ていろ」「いつか見返してやる」という発奮材料にしてほしい。
そして、世界でもトップクラスのあの日本人選手が米ツアーの開幕シリーズに出てくれるなんて「すごい」「うれしい」「これで米ツアーの改革は大成功だ」と米メディアに書かせるような、そういう存在になることを日本の選手も日本のゴルフ界も本気で目指そうではないか。そんなの夢物語だよ、無理無理とみんなが思えば、いつまで経ってもそれは夢のまま、無理のまま……。