過激なスター依存体質をいきなりすべて変えるのは難しいとしても、その度合いを軽減することはできるはずだ。そして、ビッグスターがたとえその場にいなくても、注目や集客、収益において「最低限、このレベルだけはキープできる」というシステムを真剣に早急に構築していかない限り、日本の男子ツアーが上向くことは難しいだろう。
日本オープンの今回の惨状について、石川や松山の不在を理由に掲げ、石川や松山以外の選手たちの力不足、魅力不足を嘆いたり指摘したりする前に、まずは日本の選手たちが戦いたくなる土俵、戦っていける土俵を作ることが急務だ。
今後、どんなに有能で有望なゴルファーが日本に出現しても、そのゴルファーは魅力的な土俵が日本になければ、戦う場を日本国外に求めるしかなくなってしまう。
大魚をみすみす逃がし、「大魚がいないから」と嘆く日本のゴルフ界。多くの人が他力本願的である今の姿を変えなければいけない。もっと門戸を広げ、もっと学び、もっと情報や人材を採り入れ、そうやって向上していくべきだ。
今回の日本オープンは、そんなメッセージ、そんなSOSを送ってきたと受け取るべきだ。