「(結果に対する)満足感はほぼゼロ。でも充実はしている」と石川は言った。その言葉は、強がりにも聞こえなくはないけれど、昨季にシード落ちの危機に瀕し、そこから這い上がってきた今の石川は、この言葉を心の底から本気で言ったのだと思う。遅々とした歩みではあるけれど、ほんの少しは前進している。だから充実している。石川はそう言いたかったのだろう。
11年のWGCブリヂストン招待。昨季のRBCヘリテージ。過去にも優勝が狙える位置で最終日を迎え、ガラガラと崩れたことがあった。それと比べれば、今日は「緊張がスイングに出なかった」。それだけで大いに満足。それぐらい米ツアーにおける成長の速度は遅く、難しい。
だから、この米ツアーには、イケイケの勢いだけでは掴み切れないものがたくさんある。なぜ?どうして?いくら首を傾げても解明できない謎がいっぱいある。割り切れないこと、納得できないこと、悔しすぎてたまらないことがいくらでも起きる。
そんなとき、頼りになるものは、日頃から培った技術と肉体が大前提になるのだけれど、最後の最後の砦になるのは自分自身の強い気持ちだ。
松山いわく、「いいスタートを切ったのに、途中から失速して、勢いを最後まで続けられなかった。最後まで勢いを続けられなきゃ逆転優勝はなかなかできない。途中でどういう気持ちの持っていき方をするか。そこを勉強したい」。