松山のプロとしての歩みは、今のところは前進あるのみのイケイケ状態だ。目指すべきスコアがなかなか見えなかったメリオンでも「オーバーパーを打ちたくない。アンダーパーで回りたい」と前だけを向いて突き進み、それが功を奏した。
だが、そこにはまだローズやミケルソンが味わった優勝争いの駆け引きやプレッシャーは無かった。松山自身、優勝争いの中だったら同じことが「できたかどうか?微妙です」。
プロの道は長く険しい。悔し涙が喜びをもたらすこともあれば、悔し涙がさらなる悔し涙と化すこともある。アップダウンが激しいメリオンの土を踏みしめながら、松山がプロとして大切な何かを噛み締めて帰っていった……そう思えることは、何よりうれしい。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)