「僕がケプカやシャウフェレと一緒にプレーしているって、冗談だろって感じだ」とティーガラは夢見心地だったが、夢の中で彼は首位を守り続け、「僕もPGAツアーの一員として戦えている」と自信を高めていた。
バッグを担いでいたキャディのカール・スミスは、かつてシーガラをペパーダイン大へ呼び寄せた恩人だ。駆けつけた家族や友人の応援、そして恩人に支えられながら、ティーガラはパワフルなゴルフで「スポンサー推薦による初出場で初優勝」の快挙に迫っていた。
しかし、17番のティショットが左の池に落ちた瞬間、彼は一気に夢から覚め、少しだけ経験不足のルーキーという現実に引き戻され、首位から陥落。18番のティショットも右に飛び出し、なんとかパーセーブはできたものの、勝利には1打及ばなかった。71ホール目の痛恨のミスによる惜敗は、ゴルフが4日間72ホールの戦いであることをルーキーに思い知らせる苦い経験になった。
ティーガラと同組で回っていた25歳のスコッティ・シェフラーも、ティーガラ同様、初優勝を狙って戦っていたが、PGAツアー歴はすでに3年目。昨季はメジャー3大会でトップ10入りを果たし、優勝争いも重ね、ライダーカップにもキャプテン推薦で初出場。数々の経験を積んだだけのことはあり、最終日終盤の猛チャージは実に見事だった。
最終日を4バーディー、ノーボギーで見事に回り、首位に並んだ昨季の年間王者パトリック・キャントレーは「アイスマン」の異名の通り、冷静なプレーぶりが圧巻だった。
