<JLPGAファイナルQT 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
「自分で自分を褒めてあげたい」。金田久美子が来年の出場権をかけたQTを26位で通過した。前半戦のフル出場権がかなう位置で、来年は“自力”で開幕戦から出場することができる。
メルセデス・ランキング96位でシード復活はならず。ファーストQT(C地区)が開幕する前夜、自身のインスタグラムを通じて父・弘吉さんが亡くなっていたことを報告した。「毎日、涙が止まらない」と気持ちの整理がつかないなかでも12位で通過して、このファイナルQTへやってきた。
「67」をマークして突破圏内の16位に浮上した3日目には、「よくゴルフができているなって思うくらい、それくらい悲しい出来事でした。パパがいなかったらゴルフを辞めるとか、何かあったら自分のゴルフどころではなくなると思っていた。でも、お父さんのために…。とにかく自分を保つことで精一杯です」と話し、涙を流していた。
最終日は3バーディ・3バーディの「72」で回り、トータル5アンダーで終えた。「先週も今週も、本当にどこへ飛んでいくか分からない。距離も全然出ない。感覚も分からなくて拾って(のゴルフだった)。練習も全然振れなかった」。悲しみにくれる状況下でも戦い、そして出場権を獲得。自分自身に厳しい性格だが、きょうばかりは別だ。「ホッとしています」という言葉とともに、またも大粒の涙があふれた。
来季はプロ18年目のシーズンになる。「やるからには、やっぱり優勝を目指したいです。最近はシードを取れていないので、最低限、シードは取れるように。今は全体のレベルもすごく上がっていて、なかなか難しいことだと思うけど、やるからには全力で頑張りたい」と誓う。2022年「樋口久子 三菱電機レディス」以来の3勝目を天国の父に届けたい。(文・笠井あかり)
