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98期生もQTで明暗 プロテストトップ合格の18歳・伊藤愛華らが通過「内心、不安が大きかった」「緊張しすぎて記憶がない」

今年のプロテストを突破した98期生は、11人がファイナルQTに参加。その明暗は分かれた。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2025年12月6日 14時03分

上位でQTを突破した伊藤愛華(右)と藤本愛菜
上位でQTを突破した伊藤愛華(右)と藤本愛菜 (撮影:福田文平)

<JLPGAファイナルQT 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>

11月に行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストでは、22人のルーキーが誕生した。その98期生のうち、来季の出場権をかけたファイナルQTには11人が出場。フル出場が見込めるボーダーライン(35位付近)を目指して4日間を戦い、明暗が分かれた。

【写真】初々しいですね 制服姿の伊藤愛華

20歳・倉林紅(くらばやし・こう)がQTトップ通過。プロテスト合格年のトップ通過は、13年の藤田光里以来、史上2人目の快挙となった。トータル15アンダーで後続に2打差をつける“一等賞”。賞金も特典もない名誉賞ではあるが、「自信にもなります。上位で通過したいという思いもあって、そのなかで自分らしいゴルフができたのは成長」と喜んだ。

そして、プロテストトップ合格を果たした埼玉栄高3年の18歳・伊藤愛華もQT16位で通過した。トップ合格の資格でファーストが免除され、ファイナルからのエントリー。「弱気になっていたわけではないけど、内心“いけるかな”っていう不安が大きかったです」と開幕前の心境を振り返ったが、第一目標としていた前半戦出場権をしっかりと手にした。

11位で出た最終日は、連続ボギーが先にきた。その次のホールもパーオンを逃し、心臓が早鐘を打った。「本当に焦ったけれど、そこで耐えてパーをとれたのでいい流れでいけました」。そこから3バーディを奪ってトータル7アンダーに伸ばし、余裕を持って来季出場権をつかんだ。

初日にホールインワンを達成した藤本愛菜は、最終日に1つ落としたものの、トータル6アンダー・21位で突破した。「ホントに緊張しすぎて記憶がない。プロテストくらい震えました。ツアーとステップ(下部ツアー)では違うので、絶対に通りたいという気持ちが自分を怖がらせてしまった」と振り返り、まずは安どの表情を浮かべた。

2年前から指導を受ける辻村明志コーチとのタッグ。「13番くらいまではふたりとも無言で、焦っていました」と簡単にはいかないラスト18ホールだったが、気合いを入れ直して最後まで踏ん張った。「来年の目標はシード。絶対。頑張ります」と、まもなく始まるプロ生活に胸を弾ませた。

来季スケジュールはまだ発表されていないが、例年通りであれば、3月上旬の「ダイキンオーキッドレディス」が開幕戦になる。倉林は「お話しする人もまだ少ないんですけど、これから新人戦や新人セミナーでいろいろ交流を深めていって、良きライバルとしてこれからも一緒に戦っていきたい」と98期生での切磋琢磨を誓った。

昨年の実績を踏まえると、QT36位までが第1回リランキングまでの14試合すべてに出場できた。QT40位で7試合、QT50位で4試合と限定的になっていく。

来季の前半戦にフル出場、もしくはそれに近い形で出られそうなのは6人といったところ。惜しくも逃した選手も、最大8試合の推薦や主催者推薦選考会(マンデートーナメント)の突破も生かして、躍進していきたい。なお、プロテスト合格者全員には来季の下部ステップ・アップ・ツアーのフル出場権が与えられる。

■来季ルーキーのファイナルQT結果
1位:倉林紅(-15)
16位:伊藤愛華(-7)
17位:ジ・ユアイ(-6)
21位:藤本愛菜(-6)
23位:肥後莉音(-5)
37位:佐田山鈴樺(-3)
41位:前多愛(-2)
45位:鳴川愛里(-1)
56位:松原柊亜(E)
89位:千田萌花(+6)
100位:田村萌来美(+9)

以下、主なプロテスト合格組のコメント

■佐田山鈴樺
「35位以内に入ったら前半戦に出られるよ、とだけ聞いていました。どんな感情でいたらいいのかがよく分かっていないです。帯同キャディさんでトレーナーさんも途中から来てくれて、いままでにない感じですごく楽しかったです。いつも試合は一人で行くから、チームみたいで新鮮でした。オフの予定は決まっていないけど“しごいてください”ってお願いしました(笑)。新人戦も優勝を目指しつつ、来年につながるゴルフがしたいです」

■前多愛
3位から出た最終日に「79」と崩れて涙

「ドライバーでどっちに行くか分からない球が出てしまった。最近調子が良くなかったけれど、それがきょう全部出ました。途中は不安もありました。きょうのゴルフがひどすぎて反省です。もうちょっとどうにかなったんじゃないかなと思います。応援してくれる方もたくさんいるので、最後まで諦めないようにはしていました。反省するところがいっぱいあるので、また来年に向けて頑張っていきたいです」

■鳴川愛里
ファーストQTで敗退も、欠場者が生じて繰り上がりでファイナル出場

「もう少し伸ばしたかったです。パットが決まらず、緊張する場面でミスショットも増えてしまいました。きょう伸ばさないと出場権をもらえないのは分かっていたので、少し緊張していました。緊張したときに同じようなミスが出てしまうので、そこをしっかり修正したいです。ファーストで落ちていたはずなので、もし4日間の試合に出られるなら本当に大きいです。どんな試合でもいいので“1勝”を目標に頑張ります」

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