「スピーダーチャレンジ2025」決勝大会が9日、茨城県のイーグルポイントゴルフクラブで行われ、プロ・研修生の部は9アンダーの「63」をマークした昌山大暉が制した。9月にプロ転向したばかりの22歳は優勝賞金200万円を獲得し「ミニツアーで賞金をもらったことはあるんですけど、こんな大きな額は初めてです」と初々しい感想を口にした。
ティイングエリアは違うものの、男子、女子が同じフィールドでスコアを競う試合形式。まだプロとしてツアーデビューも果たしていない昌山が神谷そら、永峰咲希、原敏之、福住修といった男女のシード選手を抑えて優勝を果たした。
ジャンボアカデミーの2期生として高校生のころから尾崎将司に師事する昌山は、飛距離が大きな武器。「きょうはだいたい325ヤードぐらいだったと思います。暖かい時期ならもう少し飛びますね」。ジュニア時代のドラコン大会では379ヤードをマークしたこともある。
ただし、この日スコアに大きく貢献したのはパッティングだった。スタートの10番を3パットのボギーとしたのにもかかわらず、トータルで22パット。「ジャンボさんに『お前のパットは病気だ』と言われるぐらいで、マンツーマンで教えていただいたりしたので、きょうは課題のパッティングが決まってうれしいです。同じ組の選手が笑っちゃうぐらい入ってました」。特に6バーディを重ねた後半は打てば入るという状態だった。
ツアーに出場するためのQTはセカンドで敗退。「前の週にアジアンツアーのQTをアメリカで受けていて、日程が強行過ぎて、体がボロボロでした。考えが甘かったですね。いい勉強になりました」。結果的には二兎を追う者は一兎をも得ずで、両方のQTに失敗。戦う場所を求めて、年明けには台湾のQTに挑戦予定となっている。
今回の賞金は今後の遠征費用となる見込みだが、「その一部で両親に何かおいしいものをごちそうしたいですね」と親孝行な一面も見せる。スケールの大きいゴルフで、将来の活躍が楽しみな選手だ。
2位に入ったのは7月に5年ぶりのツアー優勝を果たした永峰。「最終ホールでバーディを取って優勝もあるかなと思っていたんですけど、上がってみたら全然ダメでしたね」。7アンダーの好スコアも昌山の大爆発には2打及ばなかった。優勝スピーチの内容も考えていたようで「(今季の目標だった)複数回優勝が最後に達成できましたって言おうと思っていたのに…」と残念そうだった。(文・田中宏治)
