今季も数多くの話題が生まれたゴルフ界。その中から、編集部が各ツアーの10大ニュースをピックアップしてシーズンを振り返る。今回は『海外女子・前編』。
■西郷真央と山下美夢有がメジャー制覇
5つの海外メジャーのうち、日本勢が2つを制した。4月「シェブロン選手権」で西郷真央が、「AIG女子オープン」(全英)で山下美夢有がメジャー初制覇を成し遂げた。
シェブロン選手権では西郷が首位で最終日最終組入り。スコアを落としていたが、最終18番パー5をバーディとして、プレーオフに突入した。メジャー史上最多となる5人による延長戦の末、1メートルのバーディパットを沈めて決着。大会恒例の“池ダイブ”も敢行し、バスローブ姿で優勝カップを掲げた。
全英はウェールズで初開催。山下は単独首位から出ると他の追随を許さず、そのままゴールテープを切った。全英での日本勢の勝利は2019年の渋野日向子以来で、海外メジャー制覇は史上6人目だった。ウォーターシャワーで祝福を受け、勝利を見守った家族と歓喜のハグ。小さな巨人のルーキーイヤーでの快挙に、ゴルフ界が沸いた。
■史上初の双子優勝
日本最強のツインズが、米国ツアーでも歴史を刻んだ。妹の岩井千怜が5月の「リビエラマヤオープン」で、姉の岩井明愛が8月の「ザ・ポートランドクラシック」で初優勝。米ツアーでの双子優勝は史上初の快挙となった。
姉妹による米ツアー優勝は、ソレンスタム姉妹、ジュタヌガーン姉妹、コルダ姉妹に続き史上4組目。日本勢としても特筆すべき記録だった。
ふたりはそろって最終予選会(Qシリーズ)を突破し、今年から米ツアーを主戦場に戦っている。ルーキーイヤーで優勝を果たし、ポイントランキングも明愛が13位、千怜が15位と上位でフィニッシュ。“Iwai”の名をツアーに強く印象づけた。
■山下美夢有が新人賞
山下美夢有がルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)に輝いた。1990年の小林浩美、2024年の西郷真央に続き、日本勢3人目の受賞となった。
新人賞争いでは、山下を筆頭に竹田麗央、岩井千怜、岩井明愛が続き、日本勢がトップ4を独占。海外女子ツアーにおける日本勢の層の厚さを示した。
山下は全英優勝を含むシーズン2勝。出場25試合のうち予選落ちはわずか2回で、トップ10入りは12回を数えた。ジーノ・ティティクル(タイ)とプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(最優秀選手賞)を争ったが、獲得はならなかった。
