5日、畑岡奈紗が千葉県の太平洋クラブ 成田コースで開催された「ヒルトングランドバケーションズカップ」に参加。ブランドアンバサダーを務めている縁もあり、“ホステスプロ”として大会を盛り上げた。
日本ツアーの最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」を6位で終え、シーズンを締めくくった畑岡。11月の日米共催大会「TOTOジャパンクラシック」で3年ぶりの勝利を挙げ「今年は勝ちたいという強い気持ちで戦ったので、一勝できたのは良かった」と充実のシーズンを振り返った。
今年は日本勢が13人と大所帯で米ツアーに参戦。2017年から米国で戦う“パイオニア”は「こんなことになるとは思わなかった」と驚きを口にした。
TOTOでの優勝後には「どこか忘れられているような気持ちもありました」と胸の内を明かした。後輩やルーキーたちが次々と勝利をつかむ中、自身は米ツアー7勝目になかなか届かず、焦りを感じる時期もあったという。
シーズン序盤こそ上位に入っていたが、5月には2度の予選落ち、中盤はトップ10すら遠い状況が続いた。その流れを変えるきっかけになったのが、8月「FM選手権」での7位フィニッシュだった。
昨年から取り組んできたスイング改造が、この時期に形になってきたと話す。「一番変わった点は、骨盤を左へシフトして打つこと。あとはグリップを変え、肘の向きも修正しました」。その成果が徐々に結果となって表れ始めた。
以降は「FM選手権」を含む4試合連続でトップ10入り。10月の「BMW女子選手権」では今季最高の2位に入り、そしてTOTOでの勝利へとつなげていった。他の日本勢の活躍が際立つシーズンだったが、終盤には長年米ツアーで戦う畑岡が再び存在感を示した形となった。
しかし、3年ぶりの勝利にも慢心はない。悪天候により短縮競技になってしまったことに加え、層の厚いメジャーや米本土での試合で勝たなければ「証明できない」と、目指すレベルは高い。
今季の勝利によって、過去2年間の優勝者だけが出場できる開幕戦「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(1月29~2月1日/フロリダ州)への出場権も獲得。しかも同大会はホステス大会であり、さらに米国で拠点としているコースでもあるだけに、「勝ちたい」と意気込む。10年目のシーズンも強い姿を見せてくれるはずだ。(文・齊藤啓介)
