ワンオンチャレンジに壁ドンパット “しぶこ”らしさが詰まったウイニングロード【最終日】
2位に2打差をつけて、アシュレー・ブハイ(南アフリカ)と2サムでスタートした最後の18ホール。ピンチはいきなり訪れる。これまでボギーすらなかったパー4でまさかの4パット。ダブルボギーを叩き2位に後退。少し表情は曇ったが、子供とハイタッチして次のホールへと向かう。
ここからはブハイとの一進一退の攻防に。5番でこの日初バーディを奪い再び単独首位に立ったが、6番で並ばれる。7番でまた1つ抜けたが、8番のボギーでまたしても2位に後退。9番でもバーディは奪えず、トータル13アンダーの3位タイに後退。首位にトータル15アンダーのリゼット・サラス(米国)、1打差の2位に今季メジャー2勝のコ・ジンヨン(韓国)と別の組の2人に抜かれて折り返した。
それでもサンデーバックナインの主役はシンデレラだった。10番で5mをねじ込みバーディとすると、12番253ヤードでは果敢にドライバーを握りワンオンに成功。2パットで沈めて、大きな拍手とともに1打差に迫った。さらには次の13番でもバーディを奪っていよいよ首位に並ぶ。
こうなればもう勢いは止まらない。次の14番で再び離されたが15番ですぐさま追いつくと、トップのサラスと並んで迎えた18番。残り5mを今なお語り継がれる強気の“壁ドン”パットでねじ込み優勝。涙はなく最高のスマイルで右手を高々と天へと突きあげた。
泣かなかった理由について、ホールアウト後に「鳥肌が立ちすぎて、言葉にできないです。試合が終わってから緊張してきました。泣きそうになったけど、結局涙が出ませんでした(笑)」と話した渋野。表彰式のスピーチでは“カタカナ”で書かれたカンペに詰まるシーンもあったが、そこは持ち前の笑顔でカバー。スマイルシンデレラらしいハッピーエンドとなった。