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宮里藍の立ち振る舞い 自ら挨拶することの大切さを教えてくれた【南しずかの米ツアー情報局】

宮里藍の立ち振る舞い 自ら挨拶することの大切さを教えてくれた【南しずかの米ツアー情報局】

配信日時:2022年10月25日 17時00分

2017年の「エビアン選手権」の最終日、14番のティイングエリア。前の組のプレーを待つ間、宮里さんは同組のチェ・へジン(韓国)に声をかけた。「家族はきてるの?」。当時プロになったばかりの18歳は小さな声で「ノー」と答えた。宮里さんが「1人で来てるの?すごいね」など続けて話しかける。はにかんだような笑顔でヘジンが頷く。何気ない瞬間だが、宮里さんが話しかけたことで、場がほっこり和んだ。

極め付けは18番のティイングエリア。同組の2選手がティショットを打つたびに「ナイスショット!」と宮里さんの声が響いた。もう、この1ホールで引退するという間際である。自分のことで頭がいっぱいで、周りを見る余裕がなくても当然なのに。最後の最後まで宮里さんの立ち振る舞いは変わらなかった。

宮里さんがホールアウトすると、18番グリーンの傍に待機していた戦友のポーラ・クリーマー(米国)、ヤニ・ツェン(台湾)らが駆け寄って、ぎゅっとハグを交わした。その様子を撮り逃してならないと多くの報道陣が取り囲み、さらにファンも宮里さんを中心に人の輪が広がっていった。

ちょっと離れたところから、一連の騒動をイ・ミヒャン(韓国)がじっと見つめていた。宮里さんとヘジンと同組だったミヒャンは「今日、一緒に回れて、どれだけ光栄だったか言葉で表しきれない」と独り言のように呟いた。こちらが質問したわけではなく、たまたま隣に人がいたから、溢れ出る感情を口にしたという感じだった。

「アイさんにとって、今日がどれだけ大事な日だったか理解してるつもり。へジンも私も、試合の途中で感極まって泣きそうになっちゃって。今日のことは一生忘れないと思う」

あの引退試合から約5年が経過。スコットランドのどんよりとした曇り空の下、現役時代と変わらない藍ちゃんスマイルを見て、謙虚に自ら挨拶する大切さを改めて感じた。(取材・文:南しずか)

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