昨年、ツアー初優勝をメジャーの「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」で果たし、メルセデス・ランキング15位に入った川崎春花。彗星のごとく現れてツアーを席巻した期待の新星に、昨年の振り返りと今年の目標を地元・京都でじっくり語ってもらった。
「昨年前半は思っているような成績が出せなくて、予選落ちも続いて苦しかったです。後半は、日本女子プロゴルフ選手権で優勝することができました、充実したシーズンだったと思います。勝てた要因は自分の攻めるゴルフができたからだと思います」
8月にステップ・アップ・ツアーで初優勝を挙げたが、その時は3日間通して、攻めるゴルフを意識し続けた。攻め続けたことが結果につながったため、“自分のゴルフは攻めるゴルフ”だと確立することができたのだ。
川崎が掲げる攻めるゴルフとはどんなものか?「セカンドショットでショットからピンハイにつけて、バーディを奪っていくもの」だという。ただ、闇雲に攻めても意味がない。「今までは攻めて行かなきゃいけない大事なシーンで、『まずはグリーンに乗せるだけ』、『こっちのほうが安全だ』と考えて逃げることが多かったので、それを直そうと…。大事な場面で積極的にピンを狙う姿勢を続けたら、スコアが伸びて優勝するこができました」と、場面によって攻守を使い分けることができた。
初優勝後には2勝目も挙げ、今季はさらなる飛躍を目指すことになる。2023年シーズンの目標に掲げるのは、メルセデス・ランキング1位だ。それを目標にしたのは、JLPGAアワード出席が起因している。「昨年アワードに出席しましたが、本当に自分にとって素晴らしい場所だったんです。こんな場所があるんだと…。アワードにまた出たいと本当に心から思ったし、それを目指してまた頑張りたいんです。自分のモチベーションにもつながりますね」とトップでシーズンを駆け抜け、再び晴れ舞台に立つことを目標とする。
川崎のスコアメイクの生命線となるのは、切れ味鋭いショットだ。ラインを出してピンをデッドに狙える高い技術には定評がある。「私のスイングのキモはテークバックを上げてから、フィニッシュまで一気に振り抜くことなんです。手先で合わせるとミスが出てしまう。左ヒザを伸ばしながら、体をグルンと一気に回して振り抜くと曲がりません。それを意識し続けたら曲がらなくなりました」。ミスが出るようになったときは、ひたすら肩から肩の振り幅での小さな動きから、作り直し続けたという。
新人ながら2勝をマークし一気にトッププロへと駆け上がった1年目。真価が問われる2年目は、どんな年になるのか。攻めるゴルフを武器に、川崎が今季どれだけ勝利を重ねられるか。23年も切れ味鋭いショットから目が離せなくなりそうだ。(文・加藤雄一郎)
