⇒稲見萌寧プロフィール
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⇒第90期生・高卒一発合格組5名座談会
「その試合の練習ラウンドで一緒だったのが(廣田)真優ちゃん。大会を優勝したのが工藤優海さんで、2位が臼井麗香ちゃん。私のスコアは『84』でしたね。小学校6年生で60台が出るようになりましたが、当時は真優ちゃんが全国大会でタイトルを何個も獲っていた。私と(鶴岡)果恋はなんとか上位に入って…という感じでした」
東京都豊島区出身だが、プロを目指すと決めただけに、練習環境確保のため、千葉の北谷津ゴルフガーデンまで出向いて練習。ショートコースを併設した同練習場はジュニアゴルファー育成に尽力した千葉晃プロのもと、池田勇太、市原弘大ら多くのプロを輩出した“名門ショートコース”。現在でもこの地で腕を磨き、所属プロの篠崎紀夫とは「よくショートコースで勝負してもらっています(笑)」。また中学生時代に、プロになる前の葭葉ルミと同施設で交流し、いまでも仲良くしているとか。ちなみにこの頃には、父はゴルフを辞め、もっぱら送迎係として娘を支えた。
自分自身への手ごたえがつかめないまま迎えた初のプロテスト受験年。4月の第1次予選は「不安しかなかった。とりあえずコースに対応できるプレーを心がけよう」と腹を決めたことが功を奏し、トップ通過。6月末の第2次予選では、徐々に復調傾向となり、ここでもトップ通過。順調に関門をパスしていったが、不安な気持ちは晴れない。「昔から“2次をトップ通過したらファイナルで落ちる”というジンクスを聞いていました。“ここまで順調ならファイナルを通るのは当たり前”という気持ちが生まれて、メンタル面が揺さぶられてしまうのかな、って。だからこそ“実力さえあれば、ジンクスなんて関係ない!”という気持ちの強さはしっかりと持とうと思っていました」。
実際、最終テストでは苦戦した。最初の2日間を「66」「68」とし、トータル10アンダーと貯金を作ったが、3日目は「72」と伸ばせず。最終日は、スコアを崩し、最終18番を迎えた段階でトータル7アンダー。「最後のホールで3mのバーディパットが残って…正直、その時点で“落ちたな”と思いましたけど“これだけは入れないと!”という気持ちで決めました」。結果的にはこの1打が決め手となり、20位タイに滑り込んだ。「結果がわかったときは、嬉しいというよりもホッとしました」。
プロデビュー戦は2週間後の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」。初日68位タイと出遅れるも、2日目には最終9番ホールでバーディを奪取し、滑り込みで予選通過。最終日に「66」をマークし、11位タイと上位フィニッシュ。「デビュー戦は予選落ちしたくない!と思っていました。最近、究極に追い込まれたら“何とかなるかもしれない…”と思えるんですよね(笑)」。
アマチュア時代からアイアンが強みで「全部入れていく気持ちで!」と、セカンドショットでの攻めの姿勢が持ち味だが、「いまの課題はティショットを安定させること。調子いいときと悪い時の差をなくさないといけない。とにかく出るからには予選落ちだけはしたくない。少しづつの経験の積み重ねが大事なので」。目標を聞くと“安定したシード選手”。安易に優勝という言葉を出さないところに、地力をしっかりと固めていきたいという意思を感じる。
ちなみに性格は「なんでもかんでもバサッと言っちゃうタイプ。絶対にイヤのは“裏表を作ること”なので。時にはナーバスになることもありますが、悪い方向に考えてもどうしようもないので“やるしかない!悪いなりにできることもある”って切り替えられるほうだと思います!あと記憶力だけはすごくいい(笑)」。
確かに、話していても、自分の過去の出来事や感情がスラスラと言葉にでてくる。頭のなかの整理を上手くできるタイプなのだろう、ということがわかった。
稲見萌寧
〇1999年8月20日生まれ
〇出身地:東京都豊島区
〇身長166センチ、体重58キロ
〇血液型:A型
〇ゴルフ歴:10歳〜
〇趣味:音楽鑑賞