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2018年ステップ賞金女王・河本結インタビュー「スイング改造、メンタル面の成長…試合前の迷いはなくなりました」【我らステップ・アップ・ツアー マニア】

2018年ステップ賞金女王・河本結インタビュー「スイング改造、メンタル面の成長…試合前の迷いはなくなりました」【我らステップ・アップ・ツアー マニア】

配信日時:2018年10月23日 16時30分

2018年国内女子ステップ・アップ・ツアー最終戦「京都レディースオープン」が終了し、今季のステップ賞金ランクが確定。20歳の“黄金世代”河本結が2019年シーズン前半戦出場権が付与される賞金ランク1位の座を手にした。今季のステップは21試合中2試合が台風の影響で競技不成立となったため、全日程で19試合。そのうち12試合に出場した河本は、4度の優勝を記録し、18,213,000円を稼ぎだしたが、賞金ランク1位確定後、河本に今季の成長とこれからの目標を聞いた。

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---お疲れ様です、まず最終戦で賞金女王が決まりましたが、率直な心境はどうですか?(ALBA)

「ステップ賞金女王を今季の目標にしてきたので、素直に嬉しいです。最終戦の3日間は、これまでの試合の疲れがあって、なかなか上手くはいきませんでした。嬉しいことに、ここ最近は毎試合優勝争いに絡んでこれたので、本当にメンタルがきてて…2日目に集中力が切れていました(※初日「69」も2日目に今季ワーストタイの「79」)。

まだまだ自分の未熟さを感じたし、逆に3日目は、今季のステップの最後のバックナインで4つ伸ばせた(※最終日は「68」)ことは自信になりましたね。最終日は(上原)美希さんが優勝しても大丈夫なくらい伸ばしてやろう!という気持ちでコースにきて、“本当に集大成だがらやる気で乗り切る!”という気持ちでした」(河本)

---今シーズンのステップ・アップ・ツアーを振り返ってみると?(ALBA)

「優勝争いでの気持ちの作り方、優勝したあとの試合への取り組み方だったり、初めての経験をしました。すべての優勝、すべてのラウンドにおいて、得るものがあり、充実したステップ・アップ・ツアーのシーズンだったと思います。やはり成長したのは、コースへの対応力とメンタル面ですね。

シーズン初めはここまで優勝争いができると思っていなかったですし、今年1月から新たに目澤コーチと取り組みを始めて“少しづつ結果を残せればいいね”という話をしていて…。でも自分のなかでは初めから“賞金ランキング1位になる!”とコーチにいっていました。そのなかでもコーチは“コツコツでいいから”と上手く導いてくれた。ひとつひとつ、目標を達成してこれましたが、“まだ満足してはいけない!”というのはやっぱり一番先にきますね」(河本)

「自分のことを一番信じていたのは私だと思っています」

6月末の「Skyレディース ABC杯」で初優勝。7月の「LPGA最終プロテスト」合格後、9月半ばからの6連戦は怒涛の優勝ラッシュ。「山陽新聞レディースカップ」で2勝目を挙げると、2週後の「フンドーキンレディース」で3勝目。そして競技不成立となった「かねひで美やらびオープン」を挟んで、「日台交流うどん県レディース」でステップの年間勝利数・新記録となる年間4度目のカップを掲げた。
PHOTO by SHO SUZUKI

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2勝目を挙げた「山陽新聞レディースカップ」では、『(日本女子プロゴルフ選手権での)ルーキーキャンプ(⇒河本結 家族の前でステップ新記録・年間4勝目を達成、賞金ランク首位も快走

9〜10月で一気にステップの主役となったが、この2か月間の心境は…?


----終盤戦に結果がついてきましたが、自身のなかではどんな期間?(ALBA)

「“勝ちたい!”というより“負けたくない”という気持ちで戦っていました。マジで気合です!小さい頃から、本当に負けず嫌いなので(笑)いろいろな勝ち方ができましたが“負けたくない”という気持ちは誰よりも持っていたと思いますし、自分のことを一番信じていたのは私だと思っています」(河本)

----同世代に刺激を与えるためにステップ賞金女王になる、という目標には到達しましたが、今後の課題は?(ALBA)

「ステップではここまでやれている。でもレギュラーツアーでは全然違う環境が待っていると思いますし、ショットの精度はもっともっとあげていかないといけない。まだまだすべてがあら削り。細かい技術に目をくばって、体つくりもして、もっと飛距離も出せないといけない…でも、やっぱりコツコツしか進んでいけないと思っている。いきなりピョーン!とはいけませんから。目の前の課題を少しつづ…すべてが世界で戦うための準備だと思って取り組みたい」(河本)

今オフから目澤秀憲コーチに師事(⇒参照)。1月から3月までスイング改造をし、徐々に手ごたえを得つつシーズンが経過。今季途中には、森田遥を育てた坂下実利コーチ(高松中央高ゴルフ部監督⇒参照)にパッティング面で指導を仰ぐようになった。
PHOTO BY YOSHIHIRO IWAMOTO

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ステップ12試合(32ラウンド)でのパーオン率は76.0417でランク1位(レギュラーツアーは6試合出場のみ(15ラウンド)の参考記録だが、パーオン率71.1111で10位相当)。1ラウンド当たりの平均パット数は、30.7813で67位だが、パーオンホールでの平均パット数は1.8037で2位と、高い確率でグリーンを捉え、しっかりとチャンスを決めきることで、平均バーディー数1位を獲得した。さまざまな意見を取り入れながら、土台を固めている段階だが、具体的にはどのような変化をしてきたのか?


---コーチとは普段、どんなやりとりを?(ALBA)

「けっこうシンプルです。計測機器をもちいてのデータ重視。データをベースにした考え方で“インパクトゾーンでこの角度でヘッドが入ってきたら、こういう球が出るよね?でも、いま〇度くらい左向いていたから、そこを修正しよう…”というやりとりの繰り返しです。ショットデータと自分の動きを繰り返し照らし合わせて、頭のなかにインプットさせてコースで実践する。すごくシンプルなんです。

手首を一切使わず、腕と体が連動するイメージを作れたので、すべてがシンプルに考えられる。“ボール位置が少し右だったからインパクトが厚く入った”とか“右肩が下がっていたから、こういう当たり(すくい気味)になった”とか。ミスの原因が全部わかるようになった。いままでは手首を使いすぎていましたが、いまは“手首をかえすタイミングが遅れた!”とか考えなくなった。それがパーオン率の高さにつながったのかな。

1月〜3月は、80を切れないくらいのショットばかりでした。手先を使う(インパクトでかえしていく)感覚から、手首をかえさない(フェース面をキープする)感覚に。体とお尻で打つスイング。明らかに、ミスの幅が減っている。いままでミスするとグリーンを外していたのが、ミスだ!と思ってもカラーに残ってくれるようになってきているんです。

最近、具体的にアドバイスされたことですか?…フェードは思い切って左を向くこと(笑)スイングが固まってきているので、ドローもフェードもボール位置と体の向き・前傾角で変えられる。何度もいうようでうが、シンプルな思考をもって実践でトライできるから、いい結果が生まれているんだと思います。

パッティングコーチには、ストロークの部分は細かくいわれないのですが、ラインに対する考え方や、パットを打つ際のメンタル面での考え方のアドバイスをもらっています。気持ちよく試合に送り出してもらえる感覚ですね」(河本)

---話を聞いていると、試合前の準備段階で迷うことが大きく減ったと思うんだけど…?(ALBA)

「いまは迷いは一切ないです。あとは私の“ゲームへの気持ちの高め方”だけ。本当はイチロー選手のように毎日のルーティンをしっかりと決めたいのですが、ゴルフの場合、毎日スタート時間も終わる時間も違うので、自分が負荷なくできるルーティンだけ決めてやっています。朝起きて、水を飲んで、目薬を差す…とかいろいろあるんですけど(笑)とにかく平常心で挑めるように準備することが大事ですから」(河本)
現在日本体育大学に通う現役女子大生。2年生となった今季もツアー転戦の合間を縫って通学し、レポート作業にもしっかりと取り組む。(⇒「今はレポートに追われている」女子大生・河本結が選ぶ文武両道の精神
PHOTO BY YOSHIHIRO IWAMOTO

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『行かなければいけない場所ではなく、行きたいと思う場所。合コンは全くないです(笑)みんな部活で忙しいですから。キャンパスライフの楽しみは学生食堂!でも色々な競技の選手から刺激をもらっています』と普通の女子大生とは、少し違う大学生活をエンジョイしているが、2019年シーズンはレギュラーツアー本格参戦。最後に応援してくれるゴルフファンに対しての意気込みを聞いた。

「これからはレギュラーツアーに出場して、もっとたくさんに方に注目していただけるようになっていきたい。元気と感動を与えられるプレーをこころがけて、“女子プロゴルファーっていいな”って思ってもらえるような素敵な姿を見せたい。見た目の華やかさも、笑顔も絶やさずに、つねに前を向いて頑張っていきたいので、応援よろしくお願いします」(河本)


(取材・文/標英俊)

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